きれいな黄葉だった、山頂を目指すと黄金色に輝いて見えた。

   山頂からは遠くに八ヶ岳が展望できた。埼玉県の百名山を堪能

       できた日だった。~2022年11月10日(木)~

 

 

 前日、西武秩父駅前で、一応コースの説明は済ませており、民宿7時出発で間違いなく1430分には民宿に戻れるだろう、と確信していた。時間に余裕があるので、みなさんが幹事に「きょうは、ひたすら余裕のゆっくり企画にしましょう」と念を押されていた。ハイキングに必要のない荷物はすべて民宿に預けたので、全員、身軽になった。

 

 朝食に出てきたリンゴは、幹事を含め、アルミ箔に包み、行動食にされた方が多かった。両神山方向は、朝日を受けて紅葉・黄葉がきれいに輝いていた。両神山荘の玄関で集合写真を撮って出発した。

 

 朝日を受けて輝く山の中へ入り込んでいく。すぐに小さな沢を越える。前方には黄葉が輝いている。みなさんの歓声がおこる。会所に向けて、しばらくは山腹を縫うような緩やかなアップダウンを繰り返す。行きはいいのだが、帰りは最後の最後にここの登りが足にこたえる。幹事の後ろは、この日はメンバーが決まっていて、彼がペースメーカーになってくれた。会所で最初の休憩だ。

 

 

 会所から八海山までは約50分かかる。渡渉を繰り返しながら標高を上げていく。この日は、出発が早いので追い越す方も少ない。会所から20分弱で、大頭羅親王(おおずらしんのう)の像が出てくる。1時間弱で八海山に着いた。八海山に着くと一安心する。八海山から弘法之井戸を経て清滝小屋に行くのだが、30分で弘法之井戸、それから10分程度で清滝小屋だ。9時頃、上から降りてくる男性の登山者と出会った。「早いですね」というと「6時に出た」という。これには驚いた。


  両神山山頂で日帰り班の集合写真        両神山山頂で前泊班の集合写真     両神神社付近で両班、合流

 清滝小屋でトイレ休憩。清滝小屋の水は飲めない。1230分頃に戻って来る予定なので、清滝小屋でランチ休憩の予定だ。小屋の裏手を登って稜線を目指す。稜線から左に進み、岩場に入る。両神神社までロープか階段のある岩場が4か所ある。どこも鎖がなくても登れるような岩場だが、3点確保をしっかり守って登っていただく。下るときの注意もしておく。どうも下りに比べると登りの方が早いようだ。そろそろ上から下って来る方々が増えてきて、順番待ちする時間が増えてきた。

 

 岩場をすべて通過したところで一呼吸した。そこから頑張って、両神神社に着いた。下りでは12時頃にここを通過する予定で、今回は、わが班と日帰り班が両神神社付近で交差することになっている。さて、どこで交差するかなのだが、わが班の出発が30分早くなったので、幹事は両神神社の下だろうと予想していた。両神神社で休憩して先に進む。足は疲れるのだが、30分も歩けばいよいよ両神山の山頂かと思うと疲れも飛ぶ。

 

 

 アップダウンの少ない山道を歩くと、ロープの下がった岩場が出てくる。この岩場も全く問題がない。やがて右手に回り込んで左に登ると最後の岩場が出てくる。ここの岩場にも鎖があって一見して迫力があるが、難なく通過することができる。お二人先に行っていただき、後方を確認してから山頂に登った。928日以来3回目の山頂なのだが、一番条件が良かった。山頂は狭いのだが、3回の中で、いずれも平日で一番人が多かった。山頂からは、この日は八ヶ岳連峰がきれいに見えた。両神山の展望はきれいだが、地味なのだ。記念写真を撮って下った。下りは、日帰り班との交差を気にしながらの歩行となった。


  山頂付近でランチ(日帰り班)         歩きだしてすぐの登り           黄葉の中を歩く

 やがて、目印の石像が出てきて、いよいよ両神神社だねというところで前方に日帰り班の班長の姿が見えた。「やあやあ」と挨拶する。前泊班を追い越すと頑張っていた方もいたようだが、どうやら追い越すことはできなかったようだ。全員で集合者写真を撮って別れたが、幹事としては「下りで急がないように」との注意は忘れなかった。両神神社で小休止して、清滝小屋に向かう。岩場の下りが登って来る方々との交差時間もあって意外と時間がかかった。わが班は両神神社から清滝小屋まで50分弱かかっていた。

 

 清滝小屋に着いたのは1247分で、配布したコースタイムより17分遅れとなっていた30分スタートを早くする前)。コースタイムでは1230分着、1250分出発で、両神山荘には1430分着だった。このままでは20分休憩すると、両神山荘への到着時間が1450分になるので、ランチタイムを10分間短縮した。さらに、次のポイントの八海山までの所要時間を測定して、以降のペースを考えることにした。みなさんに説明してランチ休憩に入った。13時に出発。八海山までは比較的急な下りが続く。待ちながら下り、八海山に着くと、ほぼ標準ペースで下れることがわかり、以降は、急がずに下ることにした。やはり、清滝小屋~両神神社間の往復に時間がかかるようだった。

 

 

 八海山~会所間はしばらくは、岩がゴロゴロの下りで大変歩きにくい。疲れた足にはこたえる道だ。ときどき渡渉しながら歩くが、水量が少ないので全く問題がない、八海山付近からはまだ黄葉がきれいだが、それから上は黄葉が終わっている。時間的にまだ早いのできれいな黄葉を愛でながら下った。ときどき上から追い越して行く方がいる。昨夜、両神山荘で一緒だった単独行の女性は登りの岩場で交差して行かれた。素晴らしい脚力だった。昨日は三峯から雲取山を往復、明日は大菩薩だそうだ。会所で最後の休憩をしていると、後ろから、登りで追い抜いて行かれた単独行の若い女性が、われわれに追いついた。折角なので「7人パーティと会いましたか」と聞くと、八海山の先の沢で追い越したという。それで、大体の位置が分かった。


      岩場を下る             清滝小屋付近の下り           会所の付近を歩く

 会所からは約30分で着くので、両神山荘到着時刻は1440分頃と予想した。時間がわかったので、安心してゆっくり目に歩くことにした。先に書いたが、ここは下りといえない下りで、登る箇所が3個所ばかりある。この小さな登りが足にこたえる。やがて、右手に民宿の青い屋根が見えてきて、沢を渡り、石垣の上を歩き、両神山荘に着いた。預かっていただいていた荷物を受け取り、汗をかいた方はここで着替えさせていただいた。幹事はとる物もとりあえず、早速缶ビールを求めた。時間は1440分で外は明るく陽が射して温かった。女将さんが漬物とサイダーをサービスして下さった。参加者の一人が幹事に缶ビールをごちそうして下さった。15時に参加者のみなさんは近道をバス停まで下っていった。1510分のバスに乗るのだ。幹事は、後続班が到着予定の1530分までビールを飲みながら待ち、一緒のタクシーで西武秩父駅に向かう予定だった。

 

 1510分には到着すると思っていた後続班がなかなか来なかった。残念ながら、ドコモしか電話が通じないので、ドコモではない後続班の班長と連絡が取れない。15時過ぎると陽がかげって寒くなって来た。幹事はビールを控えて前方をにらんでいた。その間、女将さんと世間話をしていた。両神山は遭難が多いそうだ。民宿の壁には救助に関する警察からの感謝状がたくさん掲げてある。ここの民宿がなくなると、両神山登山に大きな影響があるのだが、娘さんが戻ってこないと後継者がいないそうだ。そんなことを話しているとやっと前方に班長の赤いアウターが見えたので、迎えに行くことにした。かなり隊列が長くなっていた。一人足がつったそうで、それで時間がかかったようだ。沢まで迎えに行った。一緒に駐車場まで戻ると1540分だった。これで今回の「両神山企画」は無事に終了した。(以上、稲葉記)


   黄葉が本当にきれいだった  山頂からの展望、遠方は八ヶ岳、黒いピークは御座山    足場階段を下る

以下、日帰り班の報告(小野担当)

 西武秩父駅に日帰り組メンバー6名が7:33着の電車で全員集合し、トイレ等済ませてタクシーに乗り込み早速出発した。

8:30分過ぎには登山口に到着し8:44には出発となった。これから1時間先に出発した前泊組に追いつこう!(冗談)頑張って歩きましょうと歩き始めた。日帰り組メンバーは山笑会(やまにこかい)の中でも健脚者揃いなのだ。班長を先頭に和気あいあいと隊列は乱れることなく続いた。沢沿いを歩き進むとピンクのマーカーに従って鋭角に曲がる箇所があり、落ち葉いっぱいの道ばかり見ていると見過ごしやすい箇所がある。進んで行くとあり得ない場所に一人のおじさんが上を見上げていたので「おじさん!ルートはこちらですよ!」と思わず声を掛けた。両神山は整備された登山道ではあるが、気が抜けない山だ。班長1名と6名の7名の隊列はほぼ等間隔で乱れることなく少々の急登や鎖場も難なく登り進めていった。班長はさまざまな種類の落ち葉を拾っては黄色く色づいたタカノツメ、真っ赤なメグスリノキ、ハウチワカエデ、コハウチワカエデ等プチ休憩を込めて立ち止まっては説明をした。


   清滝小屋を出て2つ目の岩場          岩場を下る           山頂直下の岩場、左から登る

 そうこうしているうちに当初前泊組と交差する予定の両神神社に到着した。ここで前泊組を待つか、昼食にするかとなったが、山頂を踏んでからの方が良いということと前泊組に追いつくぞ!という意気込みで先を急ぐことにして山頂を目指した。その途中の尾根道で無事前泊組と交差。お互いに労いながら仲良く全員で写真撮影。楽しい時間だ。早々に別れを告げた。山頂を目指す日帰り組も下山開始の前泊組で両組ともまだ昼食にありついていなかった。最後の鎖場を難なく登り山頂登頂!ここでも記念撮影をして、それぞれ絶景を楽しんで頂いて下山開始。鎖場の下山は登りよりも危険度が上がるが、それでも健脚揃いのメンバーは等間隔で確実に下る。見ていて頼もしい限りだ。

 

 山頂からほどなく休憩のテーブルとイスのあるところで昼食タイムとした。丁度20分で全員下山準備完了。登山口までの下山開始だ。登り同様順調に下って行った。が、ハプニングが起こった。ここ数日長距離を歩いて過ごされた方の足がさすがに疲れたのかつったのか?!そして追い打ちをかけるように木の根に脛を打ち付けたようだ。下りなのに足の踏ん張りがきかなくなってしまった。それでもちゃんと歩いてくださって、途中途中で遅れた分を合流しながら歩ききることができほぼほぼ予定通りの時間に下山出来た。(以上、小野記)

 

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

 

・参加者:12名(申し込み12名、キャンセル0名)

・スタッフ:稲葉(幹事)、小野(班長)

・報告:稲葉(前泊編、25年)、小野(日帰り編、30年)