下界は春だが、稜線はまだ冬だった。春から冬に向かう途中の山道は緊張する箇所もあり、

  加入道山から先は雪を踏みしめて歩いた。2023年度最後の山笑(やまにこ)プラスは「さ

          すが」の山だった。~2024年3月14日(木)~

 

高尾山から富士山を見るとその手前に必ず見える山がある。丹沢山塊の北西エリアにあり「奥丹沢」とも言われている加入道山と大室山だ。高尾山から富士山を見た方は名前を知らなくとも誰もが目にしているはずの山だ。今年度最後の山笑(やまにこ)会のプラス企画はその奥深い場所にある加入道山、大室山に「道志の湯」付近の登山口からの往復の山行だ。 

 

この山域は山梨県と神奈川県の県境で、大室山は山梨百名山でもある。富士急行線の都留市駅に所定の時間に全員集合し、タクシーで向かう。登山口で準備を整えて出発だ。下見の時は標高1000mあるかどうかの場所から雪道になり以後は全くの雪山登山となったが、下見日以降晴れが続き、前日が雨で当日は青空が広がる晴れの日となった。幹事とスタッフは登山道の様子に不安を抱えながら歩きだした。

大室山山頂で(その1)

大室山山頂で(その2)

加入道山の集合写真


登山道は雪も解け乾き随分歩きやすい。途中に東屋があり水場もある地点に予定より10分早く到着。幹事はこれで随分気持ちに余裕ができた。途中小さな黄色の花をつけたアブラチャンが数本現れ春の到来を感じることも出来た。今回の参加者は少人数のため隊列も長くならずコンパクトにまとまっていて、人数の関係から最後尾にスタッフが歩くというのも安心材料だ。この山行は急登あり、登山道も狭い斜面で片側が崩落し切れ落ちている箇所が何度も出てくる。更に標高を上げると雪道となり軽アイゼン使用するといった具合に夏山よりも難易度が高くなっている。  

 

東屋でゆっくり休憩し、この先に出てくる急登に備える。歩き始めてしばらくすると最初の難関の細い斜面状の崩落個所の迂回ルート。迂回と言えどなかなか高度感があって慎重に通らないとならない。その先も切れ落ちていなくともつづら折りで細い急な道を進む。徐々に標高が上がってくるといよいよ雪が現れだした。どこでアイゼンの装着をすべきか見極めながら先頭を歩く幹事は迷う。登りは急いでアイゼンを装着しなくてもある程度は歩けるのだ。雪にまみれた道と夏道(雪が全くない道)と、北斜面、南斜面で登山道は様相を変える。先を見ると、どんなに進んでも雪しかないような道になるだろうと思われた場所でアイゼン装着とした。休憩を取ると同時にアイゼンも装着。スタッフがその前の休憩時にアイゼンはザックのすぐ取り出せるところに入れるようアナウンスしたため皆すぐに装着開始だ。

ここが最大の難所

後から見たらこんな感じ(鈴木さん)

大室山は階段と雪


今回アイゼンを使って雪山を登るのは初めてという方がいたが、装着もすんなりと出来たようで歩き始めても何事もなく歩いていた。そうして標高を上げて後ろを振り向くと富士山が良く見える。全員で「わぁ~!」とこの絶景を楽しみ、疲れや緊張も癒され、再び歩き始めることが出来る。加入道山、大室山は山頂からは展望がまったく得られないのだが、落葉したブナを初めとした木々の間から寒い時期であれば景色を楽しむことも出来る。途中の登山道からはえも言えぬ絶景を望むことが出来るのだ、富士山と限らず、南アルプス、箱根の山々、奥高尾方面、すぐそばには丹沢の山々。遠くの景色も望めるのもこの寒い時期の楽しみでもある。奥深い山のため人工林がないのだ。

 

加入道山まで300mという標識が出てきたが、この300mというのがなかなか雪山では近いようで遠い。そして丹沢特有の木段が出てくるが、雪があって半分見えるか見えないかという具合で歩きやすいのか歩きにくいのか分からない。

 

しかし、参加メンバーはそれなりの調子で歩いている。そうしている間に、加入道山(1418m)山頂に到着だ。ベンチがあり、テーブルもある山頂だ。みんなで記念写真を撮り、ここで昼食タイムとした。この山頂に重い荷物は置いて行くことにし、次の大室山へ往復をする。大室山を断念するという選択も出来る。これは前々からご参加のみなさんにはお伝えしていたのだが誰もその選択をする方はいないようで当日も結局全員が大室山を目指すという。

大室山に向かう途中、意外と雪が深い(川原さん)

加入道山で昼食(鈴木さん)

加入道山に向かって歩く(鈴木さん)


 

晴れているとはいえ、止まっていると1418m地点で風に吹かれると寒い。昼食を終えて準備を整えて大室山に向けて出発だ。ここからは前大室と言われるピークを越えなければならずこのルートがまた痩せ尾根を歩かなければならないうえ、両側が切れ落ちこの先どこへ歩くべき登山道があるのか一瞬分からなくなるような箇所もある。何と難しい登山道なのか。。。それにも関わらず参加者一同何事も無いようにちゃんと後ろに続いている。目の前の前大室はまるで垂直の壁のように迫っているが歩き続けると意外にそれほどの急登ではなく歩けた。前大室から振り返って加入道山を見るとやはり壁のように見える斜面を下ってきたのかと感慨深いものもある。

加入道山に登る途中に富士山、右の山塊は御正体山

大室山からの快適な雪道

大室山山頂でホッと和む(川原さん)


それにしても雪が付いた山は美しい。そして今度は大室山が現れ、歩きを進める。ところどころ休憩しながら急登や雪道を歩くといよいよ大室山の山頂だ。山頂間近の所で、参加者のお一人がスタッフと相談で疲労を感じた為、ここで休み下ってくるみなさんを待つとなった。だが、山頂でワイワイ写真を撮ったりしていたらその方が現れた。休憩し行動食を食べていたら元気になったとのことで歩いてきたという。みんなで喜び、再び記念写真撮影となった。

 

下山途中には脚が攣りそうになって痛い、腰が痛い、膝が笑う等と其々疲労のピークがやってきて休み休み下山になった。それでも黙々とみなさん歩いている。今回はピストンのルートでまた元の道を戻るのだが、疲れてはいても集中力は持続したまま危険個所も慎重にすんなりと通り無事下山となった。予定時刻より約1時間早く登山口へ戻ることが出来た。全員疲れてはいても達成感に満ち、満足気な良い笑顔でタクシー乗車となった。これ程の難易度の高い登山は最初で最後だろうと思う。

加入堂山に戻る直前のやせ尾根(川原さん)

着実に春が来ている、アブラチャン

前大室山に向かって下る(鈴木さん)


ご参加頂いたみなさん本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。今回キャンセルされた方々もご応募、どうもありがとうございました。

 

・参加者:6名(申し込み9名、キャンセル3名)

・スタッフ:小野(幹事)、稲葉(班長)

・報告:小野梨香(30年)、写真(小野、稲葉、川原さん、鈴木さん