毛無山はまさしく全山紅葉だった。毛無山から十二ヶ岳までは、ピークを追いながらロープ、

鎖が登場する。長い下りのロープの下はよく揺れる吊橋、そして圧巻の40分間のロープ、鎖

場を突破して十二ヶ岳の山頂に立った。~2023年11月2日(木)~

 

今回は富士山の北北西に位置し、富士五湖の一つの西湖の北にある御坂山地の一部を歩く。御坂山地の黒岳と鬼ケ岳の間の十二ケ岳を毛無山経由で目指す。十二ケ岳はその名の通り十一のピークを越えて十二ケ岳山頂に到着する。実は黒岳も鬼ヶ岳も山笑(やまにこ)会では登ったことがある山なのだ。その間にある未踏の山を目指すということになった。


    毛無山山頂(計画通り)         十二ヶ岳山頂(計画通り)      毛無山から河口湖(鈴木さん)

集合は河口湖駅。そこからバスに乗ること約30分で毛無山登山口に到着する。今回の参加者は6名。スタッフ2名で総勢8名だ。毛無山から始まる十二ケ岳へのピークに行くには鎖場、ロープを使う急坂を登る、下るの連続である。そして一人ずつしか渡れない吊り橋もある。吊り橋を渡った途端に今度は岩場が待ち受けるコースなのだ。どこも短い距離なので、特別な危険はないのだが慣れていないと急坂下りは垂直な壁を下るように見えてしまう。ところが、意外と足場があり特別な腕力の必要性はないのだ。 

 

さぁ、毛無山登山口BSに到着し、簡単な開催式をして歩き始める。10分ほど歩くとちょっとした広場に出る。そこは慣れていないとルートを見つけるのが少し難しい箇所でもある。この広場までは意外と登り、準備運動の一部となる。が、一旦休憩と同時に各々で準備体操をして頂く。この日は晴天で気温も上がる予報なのだが、さすがに朝はそれなりに涼しい。しかしこれから登りが続くということでなるべく厚着はしないように参加者にお伝えし、服装を調整してから出発とした。徐々に登り更に斜度も上がっていくのだ。登山道は整備されていて歩きやすい。


  これは黄葉の圧巻(川原さん)     毛無山の登りの紅葉(川原さん)    十二ヶ岳から鬼ヶ岳と節刀ヶ岳

                                             (鈴木さん)

今日は一班だけの編成で先頭は幹事、最後尾にスタッフ。万全の体制だ。標高が上がると植生も若干変わりつつあり、スギ、ヒノキが基本で、アカマツが意外と多くなる。最初は針葉樹の緑の中に黄色が目立つ程度に広葉樹がある。近づき見ればクロモジ、アブラチャン。参加者も綺麗ね~!などと言いながら歩き進む。

更に標高が上がると、赤、黄色、オレンジ色の紅葉した木々が多くなり、晴天の青空に映えて更に美しさが増して日差しを通した葉っぱが透けてとても綺麗だ。イロハモミジやウリハダカエデに似た葉柄が少し長くて真っ赤なホソエカエデがたくさんあり、赤く紅葉した葉はとても綺麗だ。

 

8人で紅葉を愛でながら歩き、斜度も上がると眼下には西湖、河口湖が、そして目の前には富士山がドーンと見える。みんなで松竹の映画の始まりのようだと言うほど、雲一つない富士山の全容が見える。素晴らしい眺めだ。この景色が見えればすぐそこが毛無山山頂だ。足元には紫色の綺麗なリンドウの花が日差しを受けて全開している。1500mの標高の毛無山山頂で昼食とした。ほぼ計画通りの時間1115頃に到着だった。

 今回の一番の眺めか(有田さん)


                        十一ヶ岳からの下り        十二ヶ岳に渡る吊り橋

参加者は疲れた表情の方は誰もいなくて、これから始まるアトラクションのようなアップダウンを楽しみにしている様子だ。1150に十二ケ岳を目指して出発した。みなさんやる気満々、楽しみにしていたアップダウンの鎖場通過に向けて歩きだした。という間もなく一ケ岳に到着。参加者みんなでちょっと「な~んだ」と気落ちしたムードに。そうして急登、急坂下りを進んで四ケ岳が終わると、突然、下る先が見えない急下りの鎖場だ。上から見ると切れ落ちて着地点が見えないのだ。しかしロープを頼りに(足場もある)下れば足場もあり何ていうことなく着地点に降り立つことが出来る。そんな短い距離の急坂なのだ。

ロープは先に下りた人が合図をしてから使う。順番待ちをしなければならず少し時間が掛かる場面だ。 

 

そうしてロープや鎖で下り、登りを繰り返し長いロープ場が終わると十一ケ岳到着だ。十一ケ岳からは谷を挟んで尖ってそびえる十二ケ岳がどんとそびえる姿が良く見える。紅葉も綺麗だ十一ケ岳から急降下の鎖場だ。降り立った場所も狭いので先頭は先に進むしかないのだが、振り返ると急斜面は垂直に見える。その鎖場を後に続くメンバーが取り付いている姿も見える。みなさん、楽しんでいるように登ったり下ったりして笑顔で後に続いてくるのだ。

 多分、この写真は珍しい(有田さん)

十一ヶ岳の次は急な鎖場を下ると吊り橋がある。「一人ずつ渡れ」と書かれている看板は有名なのだ。その通りに、一人ずつ渡ると急斜面の岩場の登りが待っている。ここも立ち止まって待つような場所がなく、橋を渡るとすぐに岩場に取りつかざるを得ない。幹事は後に続くメンバーを待ちたいがそんなことも出来ない。振り返れば、対面の急斜面に最後尾のスタッフ他その前にロープを使って下っている参加者も見える。十二ケ岳を目指し次々に鎖やロープが張ってある岩場に取りついて登り3040分登り続けると稜線に出る。そしてやっとほぼ平坦な稜線だ。稜線を5分程歩くと十二ケ岳山頂だ。

 

 

 途中の紅葉に見とれる(川原さん) 

そこから見える景色は絶景だ。富士山とその広い裾野、西湖、河口湖、さらに遠くは標高の高い所にある山中湖も良く見える。全員集合したところで記念写真を撮る。みな思い思いに写真を撮ったり眺めたりしたが、もうアトラクションも終わりだとがっかりする強者もいる。そして尖った山容だけあり、山頂からの下りも急下りなのだ。下りもロープが張ってある。からからに乾いたザれた斜面は埃が舞い上がるくらいだ。こちらの下りも途中にはびっくりするくらい綺麗な黄色に紅葉したウリハダカエデに心癒され、しばしその姿に見とれた。そして滑

こういう黄葉の写真もいい(有田さん)

りやすい下り坂が続いたが誰も転ぶこともなく山頂から約1時間20分程で十二ケ岳登山口にゴールした。すこし歩けばバス停がある。



 左が十二ヶ岳、その右が十一ヶ岳。      富士山駅と富士山(川原さん)     ホソエカエデの紅葉(鈴木さん)

 右から2番目が毛無山(バスの車中)

綺麗な紅葉と景色に心癒され、そして次々に現れるアップダウンを楽しむように歩き切った。一ケ岳から次々に十二ケ岳まで制覇した達成感にみな満足気な笑顔で帰途に就くことが出来た。

 

 

ご参加して下さったみなさん、お疲れ様でした。どうもありがとうございました!

 

・参加者:6名(申し込み8名、キャンセル2名)

・スタッフ:小野(幹事)、稲葉(班長)

・報告:小野梨香(30年)、写真(小野、稲葉、鈴木さん、川原さん、有田さん)