先週はハナネコノメ、今週はタチネコノメソウだった。山の花はこの時期日替わりだ。

  沢を楽しみ、沢の花を鑑賞し、無事に川苔山に登った。下っては「鳩ノ巣釜めし」に      

        寄り、満足満足だった。~2024年4月11日(木)川苔山企画~

 

 411日(木)に無事に川苔山企画(プラス)が終了した。前回は20199月に企画した。山頂に到達後は赤杭(あかぐな)尾根を下って古里に着き、川向こうの丹三郎で寄り道をした。その後、10月の台風19号で川乗林道が被害を受けて、長い間、補修工事のために通行できなかった。202111月に蕎麦粒山の企画を立てたが、まだ通行できなくて、計画の変更を余儀なくされた。約5年振りの企画となるが、今回は下山ルートを変えて、舟井戸から大根ノ山ノ神を経由して下山し、歩行時間を短縮した。寄り道は、初めての「鳩ノ巣釜めし」とした。

 

 久しぶりなので、幹事としては、早めに下々見をしたいが、さりとて早すぎれば雪があるで少々悩んだが、318日(月)に実施した。奥多摩駅810分発のバスに乗り、川乗橋で下車したのは一人だけだった。天気は良かったのだ。まだ季節が早く、花もほとんどなかった。百尋ノ滝を過ぎて、足毛岩分岐を過ぎて、しばらく歩き沢歩きに入ると雪が出てきて軽アイゼン(チェーン)を付けた。ほぼ予想通りで、山頂まで雪があった。鳩ノ巣方面に下ると、雪はなかった。下りでは途中で若い単独行の女性2人に抜かれ、年を感じた。1350分頃に鳩ノ巣駅に下り、運よく遅れてきた奥多摩駅行きに乗り、奥多摩駅前のスーパー小川内にできた「しんのすけ」で奥多摩清水ラーメンを食べて、一杯飲んできた。

  百尋ノ滝の前で幹事班

   川苔山のスタッフ班

    川苔山の幹事班


 スタッフとの下見は44日の予定だったが雨マークがあり、検討した結果5日にずらしたのだが、雨マークもずれてしまい、小ぬか雨の中の下見となった。肌寒く、登る人もいない下見となった。しかし、川乗谷も春を迎え、山野草もきれいだった。細倉橋から百尋ノ滝間では、小さなハナネコノメがたくさん見られたが、どうやら終盤のようだった。代わって、タチネコノメソウが黄色い花を咲かせていた。軽アイゼンの準備はして行ったのだが、雪は全くなかった。山頂にも人の姿はなく、寒さに震えて、冬山なみだった。14時頃に鳩ノ巣駅に下ったら、突然、女性登山者が姿を現し、驚いた。6時のバスで入山したとのことだった。幹事は「鳩ノ巣釜めし」の偵察を行って満足した。

 

 さて、参加者がやっとのことで9名になって安心した。下見実施後のことだ。何と山笑(やまにこ)会に初参加の方もおられた。「川苔山には行きたいが、ゆっくり行きたい」というご希望があり、今回は2班編成とした。スタッフがプラス班担当、幹事がゆっくり班担当とした。川乗谷は花盛りだろうということもあり、また、細倉橋~百尋ノ滝間は沢沿いの高度感のある場所もあるので、山野草を観察しつつ、百尋ノ滝まではお互いの班が見える範囲で行動することとした。810分発のバスはわれわれを含めて20名を超え満員となった。その全員が川乗橋バス停で下車した。

木橋の前で全員、整列(川原さん)

 ピンクのミツバツツジが美しい

      (小野)

 まだ咲いていたハナネコノメ

      (小野)


 予定より早く830分過ぎに出発した。すぐに目前にヤマブキの黄色が展開していた。つい2週間前に咲き始めたばかりだ。前方の頭上にはピンク色のミツバツツジが目立っている。左側の岩壁には、出てきたばかりのイワタバコの若葉が見られた。沢筋には、下見同様キブシの長い花序がぶら下がっている。先週と違うのは、キブシではない長い花序が見られたことで、観察の結果、アカシデとクマシデだろうということになった。まさしく、春は日替わりメニューだ。

 

 いよいよ、細倉橋に着いた。一緒にバスに乗った方々の中で、われわれは観察をしているので一番後になった。細倉橋からは、班ごとに出発した。先頭をスタッフ班が合計6名で出発。少し置いて、幹事班が5名で出発した。百尋ノ滝までは本流に5つの木橋がかかっている。木橋を越えるたびに標高が上がっていく。9日は結構な雨が降ったが川乗谷の流れには大きな変化は見られなかった。3番目の橋を越えて左側が切れている場所になると、ハナネコノメが登場したが、すでに柱頭が緑色になっており花は終わっていた。しかし、すぐそばに黄色いタチネコノメソウがたくさん咲いていた。先週の下見のときとは全く状況が違っていた。来週にはタチネコノメソウは終わっているのだろう。

赤い方はどうやら、アカシデらしい

こちらは昨秋の果実からイヌシデか

 今週が主役だとタチネコノメソウ


 1030分頃に百尋ノ滝に着いたら、入れ替わりにちょうどスタッフ班が出発した。お約束通りだ。これで山頂まで会えないだろう。百尋ノ滝から左の岩壁を少し注意しながら登り、さらに15分ほど頑張って登ると、ややなだらかな山道になり、右側には川苔山が見えてきて元気が出て来る。しばらくだらだらと歩き、渡渉点に出る。そこで休憩した。足毛岩分岐の少し手前だ。それから少し登り、近づいてきた川苔山を見ながら進むとまた沢に下りて、318日は雪のあった場所に出る。実は、こんなところに砂防ダムが数基あるのだ。砂防ダムを3~4基越えると、いよいよ左側の尾根筋に出る。川乗山直下の稜線が近くなるのだ。と、ここで、一人の方が右足の具合が悪いという。けいれんではないというので、幹事が企画のときは持参しているストックを使っていただいた。 

 

 足の調子が悪い方がいるのでペースを落として歩くとやがて稜線に出て安心した。山頂で昼食休憩を取ることが多く、通常はその時間内にメンバーの体調等の情報を交換することにしているのだ。できれば山頂で合流することにしている。どうやら、スタッフ班の昼食休憩中に山頂に到着できそうだった。川苔山山頂には12時30分前に着いて、5分も経たない内にスタッフ班は下って行った。われわれは20分ほど山頂で昼食休憩した。山頂からは鷹ノ巣山、雲取山がきれいに見えた。

 3番目の木橋を渡るスタッフ班

  4番目の木橋を渡る幹事班

確かにこういうジャングルジムがあった(川原さん)


 スタッフ班に15分ほど遅れて下り始めた。2019年に赤杭(あかぐな)尾根を下っているし、今回は、舟井戸から鋸尾根を下って、大ダワ、瘤高(こぶたか)山を経由して大根ノ山ノ神、鳩ノ巣駅と下りたかったのだが、下山時間をできるだけ短くしたかったので、舟井戸から直接、大根ノ山ノ神を目指すこととした。30分下って5分休憩を繰り返した。ここの下りはスギ林の下りで暗く、全体的に植生が貧相で、単調なのだ。おまけに階段が多い。やっとのことで林道に到着。林道を少し行き、また森に入ると意外な場所に山ノ神が鎮座していた。足を痛めた方も頑張って下さった。

 

 熊野神社への道標を右に下り、熊野神社には1520分に到着。ここでスタッフからスマホに連絡があった。「鳩ノ巣釜めしに」行くメンバーが待っているという。幹事班も1530分頃に鳩ノ巣駅に到着、その直前に直帰組乗車予定の電車が走って行った。スタッフ班より30分程度遅かったが、わが班は遅れたのではなく、「ゆっくり班」なのでこれが「ゆっくり班」の目標タイムなのだ。幹事としては、もう少し「ゆっくりしても良かったかと」反省した。われわれを待っていて下さったメンバーと合流して「鳩ノ巣釜めし」に向かった。「鳩ノ巣釜めし」では4月5日に伝えておいたので、ちゃんと席を用意して待っていて下さった。直帰組は1526分発の電車に乗った。われわれも時間は短かかったが8人で楽しみ、1612分発の電車に乗った。

誠に意外な所にあった大根ノ山ノ神

 ほぼ終点の熊野神社のサクラ

      (川原さん)

 咲き始めたヒトリシズカ(小野)


 参加者数に気を揉み、天気に気を揉んだ川苔山企画だった。何とか9名の方々に参加していただき、春の川乗谷を楽しみ、色とりどりの春の花を楽しみ、全員、山頂に到達できた。春の季節の移ろいは早く、4月5日の下見とは違った川苔山を楽しむことができた。今回は「プラス企画」の中での「ゆっくり企画」を試みたのだが、企画によっては、うまくやれそうなことがわかった。参加して下さったみなさん、ありがとう。2024年度も楽しみましょう。

 

・参加者:9名(申し込み9名)

・スタッフ:稲葉(幹事)、小野(班長)

・報告:稲葉 力(25年)、写真(稲葉、小野、川原さん、鈴木さん)

橋を渡るスタッフ班(鈴木さん)

橋を渡る幹事班(鈴木さん)

  沢を渡った後のスタッフ班

     (鈴木さん)