雨で中止にした今倉山・二十六夜山ハイキング、その代わりの

「林道歩きの二十六夜山、雨中ハイキング」は雨に降られなかった。

 23日の朝、中央線大月行きに乗っていると、心もち空が明るい。ほとんど雨は降っていないように見える。大月駅には20分ほど早く着いたが、河口湖行きは約30分後だ。同じ車両に参加される方が一人おられた。トイレに寄って、売店でホートコーヒーを買うことにした。売店の前で別の参加者に会った。718日に北八ヶ岳ロープウェーで一緒になった方だ。

 

 コーヒーを持って4番線に向かった。さきほどの方と話をする。河口湖行きが入って来た。残り5人の方が乗っていたので、全員にコース図を配布した。本日は、菅野盛里林道を峠まで歩くのだ。都留市駅に着き、待合室で軽い打合せ。それから予約してあったタクシー2台に分乗した。雨は小雨、雨量0.5mm程度だろうか。2台の内、1台の運転手は林道のゲートをご存じない。

 

 

 タクシーの中では、林道に何かあって、戻る場合のことを考えてずっとスマホの電波状況をチェックしていた。どうやら、ゲートまで通信できるようで安心した。これでタクシーを呼ぶことができる。タクシーは14,130円だった。下車して、出発の準備。僕は雨具の上を来たが、着ないで傘をさす方が多かった。その程度の雨だったが、それも途中で傘をしまった方、雨具を脱いだ方が多かった。ゲートには何も注意看板が出ていない。通行できるということだ。それでも一抹の不安は消えない。


 歩いたら、展望が良くて飽きることがない、と書かれている林道だが、この日は残念ながら白いベールにおおわれて何も見えない。「丹沢西端・西丹沢詳細地図」を見ると、林道の西側は比較的なだらかで東側もおおむね緩やかな斜面なのだが、途中、半分ほどの辺りから急崖になっているようだ。林道は幅が2車線以上で舗装されているが、路面は荒れている。東側の斜面からは、キブシの実がたくさん見えたり、ウツギの咲き残りがあったりして、見あきない。ボタンヅルがあったので、13出と23出の説明をしたりした。

 

 前方から軽油を運搬する軽トラックが走って来た。峠の向こう側で工事をしているのだろう。30分歩いて少し休憩し給水する。さらに歩いて、いい加減、唐沢尾根とぶつかる頃だと思ったら、土砂流出の箇所に出た。やはり急崖で一カ所大規模崩壊があったようだ。土砂はすべて重機で西側に除去されていて、通行には全く支障がなかった。先に進むとボンヤリと道標が見えてきた。何人かが「あそこを登るんですか」といったが、反対側のゆるい階段を指さすと安心していた。ここで小休止。ここから15分で山頂だ。

 

 

 詳細地図には峠の地名はなく「階段入口」と書いてある。ここまで来ると引き返すことはなく安心だ。山頂に向かって歩く。階段は2~3分で終わって、15分で着くのかと思うほど小さなアップダウンがある。キヌタソウが出てきて「砧を打つ女」の「砧」を説明する。クモキリソウらしき花にぶつかり、ハナイカリじゃないよね、クモキリソウだよね、とか観察する。これはクモキリソウだった。前方を見ると真新しい標識が目に入った。最近、山梨県でも山頂の山名標識を新しくしているようだ。しかし、古い標識には味があり「山名標識を大切にしましょう」なんて書かれている。晴れていれば眼前にそびえる富士山が、この日は見えない。山頂集合写真を撮って下山開始だ。


 二十六夜山の下りは、約25分間がやや急な下りなのだが、足が滑るようなことがないので転倒することはまずない。ときどき止まって、後方の歩き方をチェックする。さすがに山笑(やまにこ)のメンバーだけあって、ちゃんと想定コースタイムで下ってくれる。最後の急な斜面を下って、最初の急斜面は終了。今度はジグザグの急な下りだが、すぐに終わる。全員が来るのを待って給水して、再び下る。10分も下ったらトラバースに移行する。その地点で待つ。この付近はケヤキの巨木が多い。ここの上の方ではミズナラが多いのだが、コナラですかという質問が先日あった。

 

 一番後を見ると、両手で○の字を作っていたのでまた歩き始める。12日に下見をしたときにフサザクラの落枝がたくさんあって、実がたくさんついていた。この日も歩きながら探してみなさんに見ていただいた。5分も歩くと、沢の音が聞こえてくる。仙人水が湧き出る音なのだ。意外に音が大きい。「仙人水」と大きく表示してある。みなさん、手を差し入れてそれから写真を撮っている。少し先に行くとフサザクラがあって、実がついている。今度は樹木で観察できる。そして「かっちゃ石」だ。実に巨大な岩がある。「生活した跡だ」と説明があるのだが、全くわからない。

 

 

 かっちゃ石で矢名沢に出る。ここは来る度に沢の水を目にするのだが、連日雨なのに、なぜか16日の下見のときから水が見えない。どうしたことだろう。5分ほど最後の休憩をして、登山口に向かう。20分ほど河原歩きをする。昨年の台風で少し荒れたように思うが大きくは荒れていないようだ。沢歩きの最後で丸太橋を渡って、反対側に渡らなければならない。この丸太橋を見逃すと少し面倒になる。歩きながら右手側に注意して道を探しながら歩いて丸太橋に出た。この橋も新しくなっていた。意外と水量が豊富で、みなさん丸太橋で写真を撮っていた。


 ここからは、遊歩道なみの道になる。10分もかからないで登山口に出た。舗装の車道を集落に向かう。途中、新しい民家があって、見るたびに不思議に思う。誰がどこから来るのだろうか。正面を見ると、昨年12月に登った久鬼山が見える。四つ辻に出て右に曲がる。「月待ち湯まで5分」とある。芭蕉月待ち湯に着くと、4連休の初日だというのに、客が少ない。フロントで僕の名前を伝えてストックを受け取った。20日に休憩室で缶ビール飲んで休憩していたら、忘れてしまったのだ。温泉に着いたのはほぼ予定時刻の1210分。温泉にゆっくり入り、持ち寄りの肴を食べながらビールを飲んで、147分発の市営バスに乗ることにした。

 

 

 雨のせいで「今倉山・二十六夜山ハイキング」を中止し、特別に企画した「林道歩きの二十六夜山、雨中ハイキング」は雨に降られずに終わったのだった。参加された方も、参加されなかった方も次回に期待しましょう!

(報告:幹事 稲葉 力、下見参加:小野梨香、古谷一佑)