塔ノ岳ハイキングは天気に恵まれ、展望、展望、大展望のハイキングとなった。

                           ~11月11日(水)~

 

登り始め、黙々と登る

  木道が多かった、歩幅と合わない桟

     やっと二ノ塔に着いた


 

 

 幹事としては、人気の丹沢表尾根縦走に16名の申し込みは少ないと感じていた。スタッフは「みなさん、恐れをなしている」のではないかという。確かに改めて下見をしてみると、晴れた日の展望は素晴らしく満足感が大きいものの、しっかり足にこたえるコースであることが理解できた。なるほど、中高年にとっては恐れをなしても止むを得ないコースだと実感した。結局、1名キャンセルで15名の参加となった。

 

 平日の場合、小田急線秦野駅を出るバスは8時24分発しかない。ヤビツ峠に着くのは9時を回ってしまう。そこから富士見小屋まで歩くと20分かかる。下見の所要時間から計算すると、大倉には16時20分頃の到着になる可能性が大きいようだった。時期的に日暮れの時間である。参加者全員が8時ならば秦野駅に集合できるというので、秦野駅からタクシーで富士見小屋まで入ることにした。こうしてコースタイムを30分以上短縮して大倉着15時55分とした。

 

 幸いなことに実施日の11月11日(水)前後は晴れが続いていた。幹事にとっては、12日(木)は聖パウロ学園高等学校の総合学習のプログラムの本番の日であり、しかもその幹事であり、重圧を感じての塔ノ岳本番だった。11日の朝、7時23分に着きスタッフと集合すると、もう来ている方がいる。8時10分に全員集合して、タクシーでヤビツ峠に向かった。この日は快晴無風の絶好のハイキング日和となった。タクシーは8時には到着していた。

 

 幹事の乗ったタクシーでは、最近行った山、これから行く山、塔ノ岳の話題で盛り上がった。車道の脇に「宮ヶ瀬ダムには行けません」と表示があるのだが、地図を見ると確かに宮ヶ瀬ダムまで林道が通じている。現在は土砂崩壊で通行できないのだそうだ。そんな話題もあった。ヤビツ峠の手前から秦野市方面の町並みが下に見えてくる。その眺めが山並みで見えなくなるとヤビツ峠に着くのだ。本日はヤビツ峠は通過して、秋の気配を見せている林道を走って富士見小屋まで行った。タクシーで聞いた話では、2、3年前に富士見小屋は失火で焼けたそうだ。そこに立派なトイレが立っているようだ。4台分のタクシー料金を精算して、開校式。タクシー到着時間は予定通り、出発は5分ほど早かった。

 

 菩提峠に向かって歩き、ものの5分で登山口に着いた。本日のハイキングには山笑(やまにこ)会に初参加の方が2名おられた。原則、初めての方、体力がわからない方は、山笑(やまにこ)プラスには参加できないことになっているのだが、これまでの経験、体力をうかがって参加を認めている。結果的に、初参加のお二人とも全く問題がなかった。二ノ塔に向かってひたすら登るのだが、塔ノ岳までのコースは、この二ノ塔までの登りはファーストウィンドなのだ。約1時間ほど頑張れば登れたも同然だと思う。比較的気温も高いので、初めての方に服装の注意をした。この時期、外気は寒いのだが、歩き始めに少し寒さを感じる程度の服装で動き始めるのが望ましい。

 

 途中で一度服装調整の時間を取り、ちょうど30分歩いて、最初の休憩とした。初参加の方から盛んに質問を受けた。考えてみると、周りの方々はいつも幹事と歩いている方ばかりなので、いつも聞いていることが多いのだろう。下手をすると年間一緒に20回程度歩いている方もいるのだ。給水して5分休憩で、また歩き始める。リンドウがあちこち顔を出している。二ノ塔に着くと展望が一気に開け、大山が大きく見える。これまでの疲れも吹き飛ぶ思いだ。一人の方から「いつもより登りのペースが遅くないですか」と聞かれた。そうなのだ、後半のセカンドウィンドでバテルのを恐れて、後半のコースタイムを長めにとり、二ノ塔までは押さえようと考えていたのだ。実は予定の約10分遅れだった。後続がやっと来たので5分休憩で出発した。

      ニノ塔で休憩

    ニノ塔から三ノ塔を見る

      塔ノ岳の集合写真


二ノ塔からは三ノ塔が見える。山頂の小屋が見えている、15分程度しかかからない。予定通りときどき出てくるリンドウに励まされながら下って登ると三ノ塔に着いた。ここで後続の班がなかなか上がってこない。そのため10分休憩とした。ここで食い込んだ時間は、塔ノ岳までの後半で何とかカバーでると考えていた。三ノ塔からの眺めは抜群だ。ずっと塔ノ岳まで見えて、尊仏山荘まで見える。特に眼下に烏尾山荘が見えており、秦野市の市街、相模湾まで見えている。しかし、ここからは急な下りも入って来る。ここから行者ヶ岳まではずっと10分遅れで予定したペースで歩いていた。平日なのでハイカーは少なめだが、天気はいいので前からも後ろからもハイカーとすれ違うようになった。

 

 ずっと烏尾山荘を眼下に見ながら岩っぽい斜面を下る。下りきり、緩い階段の道を登ると烏尾山荘だ。三ノ塔から眺めると随分先に思えるのだが、25分ほどで到着する。ここでも5分休憩で出発する。この辺から稜線の両側は切れている。それは新大日まで続く。山道はまだ新しい階段、あるいは木道が多い。階段は自分のペースが作れていいかも知れないが、木道はやや間隔が合わず歩きにくいようだ。行者ヶ岳まで黙々と歩く。行者ヶ岳周辺が本日の登りのハイライトなのだ。結構きついなと感じた頃に行者ヶ岳山頂に着く、狭い。ここでこれから鎖場が3カ所出てくると説明する。ストックはしまった方がいいですと伝えたが自由に任せた。3点支持と同じで鎖は離してはいけないとも。

 

 いよいよ核心部だ。最初の鎖は問題ない。少しつかんで下ればいい。次も垂直だが短いので問題ない。幹事が下で見ていても緊張しない。渋滞もなかった。最後が問題だった。幹事が最初に下って、後続に注意をして、離れて待ち、みなさんの下り方を見ていた。ストックは手に持っていた方もいたがどうだったろう。最初の鎖から次の鎖に移るときに手が離れるときがある、このときに荷物が引っかかったりすると危ないときがある。手が離れる方もいた。自信があるのか、全く鎖を頼らない方もいた。幹事はみなさんが危険箇所を通過している最中には特に注意喚起しないことにしている。逆に注意が散漫になると思うからだ。この鎖場の通過には10分近くかかってしまった。ここでは、われわれが渋滞を引き起こしてしまった。途中一カ所で予定通り休んで、みなさんかなり疲れた表情で新大日にも10分遅れで到着した。ここ以降は緩やかな登りがあるだけで不可は少ないのだが、胸突き八丁なのだ。

 

 

     段々、山頂に近付く

       マユミと大山

     塔ノ岳から三ノ塔を見る


 給水して、最後に山頂直下で休憩しますと伝えて出発した。なだらかな斜面歩きが続き、水平の木道が続き、尊仏山荘が見えるところで前半最後の休憩を取った。みなさんに「体調は大丈夫ですか」と聞くと、みなさん、一応全員「大丈夫」とこたえた。山頂に向かってゆっくり登り始めた。最後はこういうゆっくりペースで歩くことは想定していた。13時10分に山頂に到着した。みなさんと相談して、昼食休憩は20分とした。山頂標識に13時30分に集まり集合写真を撮ってから下山開始とした。2名ばかり少し遅れているので、迎えに行った。一人足がつったそうで、ペースが落ちていたが、68番を飲んで回復し、5分ほど遅れて山頂に到着した。ここで予定の5分遅れとなり、16時22分発のバスには多分、悠々間に合うと判断したのでみなさんに伝えた。途中では、16時22分は無理で16時52分の可能性が高いと伝えてあったのだ。

 

 集合写真を撮って下山を始めた。幹事は下々見で大倉尾根を下っているとき「堀山の家」の手前で転び、手袋をしてなかったので、右手の親指に擦り傷をこしらえた。それを皆さんに紹介し、転倒に注意するように伝えた。大倉尾根は「堀山の家」付近まで下りに下る。眼下に町並みが広がり、そこにまるで飛び込むように下っていく。しかも歩幅の合わない階段が続くので足が疲れるのだ。この疲れがまた尾を引くのだ。山頂から「堀山の家」までは予定の5分遅れ程度だったが、段々一部の方に遅れが出てきた。「堀山の家」からは傾斜がほぼなくなり楽な道になる。しかし、「堀山の家」では遅れが大きくなり、このままでは16時22分のバスにも間に合わないと判断したので、歩ける方には少し頑張って歩いて下さいと発破をかけさせていただいた。やはり大倉尾根の下りはきつようだった。

 

 15時24分に「見晴茶屋」に到着。ここでトイレを使わせていただいた。ここまで来ると、到着の時間が読める。何とか16時22分に間に合うと判断した。幹事としてほっとした。最後尾の方も何とか間に合いそうだった。ここからも少し歩きにくい石畳の道があるが10分ほどで終わり最後の山荘を通過すると車道となり窯が出てくる。山頂では標識の№が46だったが、ここに来て、№1となった。残すは1箇所のみだ。少し元気が出て、16時7分に全員が大倉に到着した。トイレ、買い物等の時間を考慮すると時間ちょうどだろう。山頂からは7分程度の遅れで済んだ。幹事としては、最後の最後で体がきついのに発破をかけて大変、申し訳ないと感じている、ご容赦願いたい。参加して下さったみなさん、頑張って下さったみなさんに感謝申し上げたい。

 

〇参加者:15名(16名申し込み、1名キャンセル)

〇幹 事:稲葉 力 

 

〇スタッフ:小野梨香

  きれいなリンドウがあちこちにあった

 

 

燃えるような紅葉もあった

     三ノ塔からの富士山