暖冬異変で雪がなかった笹尾根・槙寄山、しかし軽アイゼン歩行は実施。

富士を眺めて小春日和のハイキング、しっかり数馬の湯で楽しみました!

 

 このハイキングも天気予報に翻弄された。ハイキングの目的が軽アイゼントレーニングであったのに、雪がないことがほぼ確実で、前日まで午前中の天気予報が雨だった。前日まで天気以外の理由でキャンセルが2名あったが、予想外なことに前夜から当日の朝までキャンセルがなかった。しかも驚いたことに、参加者のみなさんが自分なりに天気の予想を立てて参加されていることだった。

 

 この日もバスの乗客はほぼわれわれのみ。浅間尾根登山口バス停で下車して、まず開校式。それからバス停そばのトイレに行っていただいた。バスが「やすらぎの里」経由で、計算より時間がかかったので、歩き始めも遅れるかと思ったが、時間通りにスタートできた。ここの登山口から大羽根山一体は東京都中央区の山であり、NPO法人が管理しているため整備状況がいい。折からの春の陽気で、歩き始めてすぐに服装調整をした。それでもまだ暑く、Tシャツになった方もいた。枯れ葉の堆積が厚く、周囲の樹木に樹木名板があるので、ときどき枯れ葉を見ながら樹木の解説をする。大羽根山の手前にはカタクリの里があって、そしてカシワバハグマの多い場所がある。約1時間で大羽根山の山頂に着く。御前山の展望がいい。

槙寄山で全員で集合写真

 それからいよいよ数馬峠に向かう。8日に行った下見では大羽根山から5分も歩けば、御前山のシャッターポイントがあり、登山道に雪が残っていた。そこで軽アイゼンを装着して軽アイゼン歩行の練習をする予定だったのだ。さて、目的の場所に着くと申し訳程度に雪が残っていて、軽アイゼン歩行どころではない。軽アイゼンをつけずに歩く。付近にはシラカバの自然林がある。しばらく歩くと笹尾根に到達し、右に尾根歩きになる。田和峠方面から歩いてくると、ここから下りになると安心する分岐だ。後続を待って先に進む。凍ってはいないが、軽アイゼンがあっても良い山道を歩いて行くと前方に明るい草原が見えてくる。そこが数馬峠だ。ここに初めて来た頃はまだベンチがしっかりしていたが、今ではベンチは朽ちている。富士山と権現山を正面に見ながらランチタイムとした。ランチが終わった頃に、持参していただいた軽アイゼンを希望者に装着していただき、装着の注意と歩行の注意をする。ラチェット式の軽アイゼンは締め付けすぎを注意した。ここから約20分の田和峠まで希望者は軽アイゼン歩行をすることとした。幹事も4本爪のアイゼンを装着した。 

 

 先に書いたように、雪はない、凍ってもいないが、少々滑りやすい部分があって、それなりに軽アイゼンがきく。まあ、少々の練習にはなるのだ。田和峠に着く。実は田和峠には「田和峠」の表記がない。幹事は上野原からバスに乗り、田和バス停で下りて、田和峠まで登り、数馬峠から大羽根山経由で浅間尾根登山口バス停に下りるのが好きなコースで、その理由はバス停の先にある「民宿浅間坂」にあるのだ。ここの「展望風呂」と「田舎風のそば」がいいのだ。そんな話をみなさんにしながら軽アイゼンを外し、西原峠に向かう。西原(さいばら)峠はさらに何もない。今回はザックを置いて、槙寄山を往復した。山頂ではお約束の集合写真。全員、ほぼ一列で登ったので今回は全員での集合写真も撮った。「槙寄山」というのだが、「槙」の木は見あたらない。西原峠に戻って、下る前にストックの使い方の説明をする。ストックは下りが重要で、先端のキャップを外し、しっかり体重を支えるように使わないと意味がない。しかし、単なる杖代わりに使っている方がほとんどだ。


            数馬峠に向かう廣川班                      数馬峠を出発する稲葉班

 西原峠から下ると10分ほど部分的に凍っていたり、雪が残っている道があり、転倒しないよう注意する。枯れ葉が多いので枯れ葉の下に注意していただく。30分ほどで数馬下(かずましも)に向かう、数馬バス停への近道分岐に到着、最後の休憩とする。空は青空で気温が高く、まるで春山の雰囲気だ。疲れが見える顔はさすがにどこにもない。しばらく下ると下に民家が見えてきて、足元にフクジュソウが、目の高さに葉ミツバツツジのつぼみが膨らみ赤みがさしていた。春が近いか。「仲の平バス停」の案内が出てきて、破風に「龍」の大きな字を掲げている古い民家が出てきた。もう少し歩くと仲の平バス停だ。そして予定の14:20頃に数馬温泉センターに着いた。笹尾根の歩行で登山靴が汚れたのでみなさん水道で靴を洗い、それから解散。直帰される方は、14:53発のバスに乗り、寄り道組は温泉に入って食堂で乾杯した。楽しく飲まれる方が多く、帰りのバスの中ではみなさん気持ちよく休まれていた。世の中は田和峠~槙寄山付近で軽アイゼン練習をする方々も多いのだが、ここで雪がなければあきらめもつくというものだ。再来週の金時山はどうなるか。


            槙寄山の富士山                    春を告げるフクジュソウ

●参加者17名(申し込み者19名、キャンセル2名)

●幹事:稲葉 力、スタッフ:廣川妙子、久保雅春

●報告:稲葉 力