ホオノキのラッセルをして、わずかに積もった新雪を踏みしめ、トチノキの巨木に圧倒され、ヤドリギを楽しんだら、山頂で富士山がドーンと眼前に座っていた。~2021年12月23日(木)~

 

 幹事のミスが続いた企画だった。参加者に喜んでいただきたい企画を考えるのはいいのだが、いっぱいいっぱいの企画を考えるとミスが出る。もともとは上野原から松姫峠に行きたくて、路線バスが土日しか松姫峠に行ってくれないので、12月の土曜日に企画したのだ。そのバスが、11月末までの運行であるのを知ったのが10月の初旬頃ではなかったろうか。そのため、12月23日(木)と当初の実施予定日に戻し、奥多摩駅7:40発小菅の湯行きのバスに乗る案に変更した。「ゆっくり歩き隊」は小菅の湯から鶴寝山を往復、山笑(やまにこ)隊は、大マテイ経由のコースとした。ここで、奥多摩着7:30で来れない方にも参加できるように考えて、タクシー利用案を考えた。タクシーで奥多摩駅をバスより30分遅い8時10分発として、松姫峠まで行っていただく計画としたのだ。


 上の方は日影では小雪が積もっていた    ホオノキの枯れ葉のラッセルの道        ヤドリギの実

 12月16日(木)にスタッフ3人で下見を行った。「ゆっくり歩き隊」は久保班長、山笑(やまにこ)隊はリカさんが班長。下見では松姫峠に行かないので、タクシー隊は、何度か同じコースを歩いている幹事が班長だった。奥多摩駅7時40分発のバスは、8時36分頃に小菅の湯に着く。小菅の湯は営業していそうに見えるのだが、気になる看板が見えた。近寄ってみると「ボイラーの工事のため11月15日から1月20日まで温泉は休業」とあるのではないか。11月1日にアナウンスされたのだから、幹事が知らなかったもは止むを得ないがかなり失望した。気を取り直して、下山後は「源流レストラン」で楽しむことにして下見を実施した。


   富士山と三つ峠、左は杓子山     大樺ノ頭、黒岳、牛奥ノ雁ヶ腹摺山        山沢と木橋

 一週間前に小菅村役場に電話すると「例年ならば、松姫峠に行く村道は閉鎖している。今年はまだ閉鎖していない。」ということで、本番23日の1日前の22日の朝に確認することにした。22日朝、連絡すると「21日に閉鎖した」というではないか。まあ、仕方がない、奥多摩タクシーに電話して、小菅の湯まで行き、林道のゲートまで入っていただくことにした。

 

 これで幹事のミスを並べ終えた。ここからやっと本番だ。20名応募があって1名キャンセルがあった。幹事のミスが続いたにも関わらずキャンセルが少なく幹事としては感謝するしかない。タクシー班5名、「ゆっくり歩き隊」4名、山笑(やまにこ)隊が10名だった。幹事は7時40分に16名を見送った。8時3分の電車で5名が来られて、6名でタクシーに乗った。小菅の湯には8時40分頃、ゲートには9時前に着いた。参考までにタクシー代は9,500円だった。全員、軽アイゼンは用意していただいた。タクシー利用で歩行時間が約25分楽になったはずだ。他の2班は9時にスタートしたので、戻っていくタクシーを見かけたようだ。


    小野班の山頂集合写真           幹事班の山頂集合写真        久保班の山頂集合写真

 2019年10月の台風で被害を受けて壊滅状態のわさび田を眺めながら歩く。大ダワ方面に直行する分岐までの登りが、結構急だ。朝は寒かったので途中2度ほど服装調整しながら歩く。大ダワまでの分岐で一本取る。左に山肌を縫うように登り始める。薄く雪が積もっている。2,3日前に降ったのだろう。誰も踏んでいない。地面はところどころシモバシラでバリバリになっている。やがて、辺り一面ホオノキの枯れ葉が積もっている山道になる。これがまた足に重い。もう少し頑張ると、トチノキの巨樹が見えた。説明するより写真を見た方が早いだろう。

 

 トチノキの巨樹を過ぎて、30分ほど歩くと、山沢入りのヌタに出る。ここから右に行けば、大マテイ、大ダワだ。左に緩やかに歩けば、鶴寝山に至る。頭の上のヤドリギを見て、山頂へ「日向の道」を歩く。陽ざしを浴びながら25分歩くと、鶴寝山の山頂だ。11時10分頃に到着した。25分アプローチをカットしたおかげで予定より10分早く着くことができた。準備してきた、富士山、大菩薩連峰のパノラマ展望写真をみなさんにお渡しして35分まで休憩にした。下見より格段に温かく、風もなく、展望を楽しむことができた。ゆっくり休憩していると、何と山笑(やまにこ)隊が予定より早く登って来て驚いた。「ゆっくり歩き隊」がちょうどコースタイム通りだった。


   山頂に向かう小野班の一部          山頂に向かう稲葉班        巨樹の道を歩く久保班

 幹事班と小野班はほぼ同時刻に昼食後の行動を開始した。巨樹の道を歩きながら、後続の班のためにところどころに赤テープを追加した。山沢入りのヌタに着いて、幹事はみなさんと相談し、雪道に不慣れな方がいるので、用心して登って来た道を往復することにした。小野班は、大マテイ(山沢入)に登り大ダワに下り、そこから分岐に戻ることになる。一度お別れした。「ゆっくり歩き隊」は山頂を11時45分頃に出発した。滑る箇所はないので軽アイゼンは装着しない。右に斜面が切れているので、滑らないように、転倒しないように、足を引っかけないように注意した。予定よりやや遅く分岐について、荒れたわさび田を見ながらゲートに到着した。一息入れて、道の駅に向かって歩き出した。左側の稜線は、大マテイ~大ダワ~モロクボ平と続き、小菅の湯に下りる稜線ですよ、と説明しながら歩いた。実は、左の稜線歩きの方が時間がかかるのだが、長いだけあって歩きやすい道なのだ。

 

 稜線から下って、今歩いている林道に合流する。そこで右に曲がって少し歩くと、以前は「小金持ち工房」というそば屋があったプレハブハウスに出る。地元のおばあさんたちが経営していたのだが、どうやら昨年のコロナ禍で閉鎖したようだ。大変、残念だ。バス停に着き、道の駅に着いたのは13時30分だった。ほぼ予定通りだった。大月に出るバスは14時41分なので、「源流レストラン」でビールをピザを楽しむことにした。ビールを飲んでいるとすぐに久保班が到着して、やがて小野班も到着した。

 

 思いもしない好天に恵まれた企画だった。今年最後の企画に参加して下さったみなさん、ありがとう。

 

・参加者19名(申し込み20名、キャンセル1名)

・スタッフ 稲葉(幹事)、久保(班長)、小野(班長)

・報告 稲葉(25年)

山頂で大菩薩連山を写真に撮る久保班長

   トチノキの巨樹と久保班