3カ月振りの山ハイキングだった、陣馬山は楽しかった~6月16日

 

 約3ヶ月振りの山笑(やまにこ)ハイキングだった。連続で4回中止にしたことになる。コロナの問題があるので新聞広告はもちろん、FIT-HPにも広報していない。山笑(やまにこ)会のHPのみの宣伝だった。スタッフ3名で実施することにしたので参加者は16名限定とした。キャンセルを見越してキャンセル待ちを受け付けておいた。本番予定は11日だった。5日の下見は好天だったが、徐々に雲行きが怪しくなり、結局、各種の天気予報を総合して11日本番の中止&延期を決めた。11日の朝、起きたら天気予報大外れの好天だったが致し方ない。この延期で何名かキャンセルが出て、キャンセル待ちで埋めたが埋め切れず13名となった。

 

 

さて、延期実施日の16日は予想外の好天に恵まれた。幹事は予定通り7:26藤野駅着で行ったのだが、驚くなかれ、すでに7名ばかり先着されていた。これはコロナ対応で混む電車を避けたためらしい。参加者もスタッフもマスク着用、参加費は原則郵便振り込み。現金持参者にはお札を袋に入れて持参していただいた。資料はポケットバインダーに入れたものを渡した。お願いしていた7:46着の電車で全員集合した。バス停は、いつも通勤用のバスに乗る方々で混むので、通勤用バスが出てから並ぶ予定だったが、どういうわけか、和田行きのバスはわれわれ16人を含め40人弱になることがわかった。バスはぎゅうぎゅう詰めの満員だったが、このバスにこれほどの客が乗るのを見たことがない。シーズン中でも平日は5名といないのだから。

陣馬山山頂で1班の集合写真

バスの中はマスク着用で会話を控えることとしていたが、注意の必要はなかった。5分ほどでバスを下車した。広場まで移動して、そこで開校式。知った顔ばかりだが、みなさん約3ヶ月ぶりだ。Zoomつながりあり、LINEつながりがあるのだが、ほとんどの方は久しぶりだった。事前にアンケート調査を行って、2班にわけた。1班は、マスクの着用は自分の判断とした。班長は歩行中はマスクはしない。解説は対人距離が取れないときはマスク着用とした。班のメンバーも同様だ。2班は、可能ならばマスク着用をお願いしたが、熱中症の問題もあり最終的には各自の判断とした。事前には16名にアンケートを実施したが、「歩行中もマスク着用する」と答えた方は16名中、3名ほどいた。その中で、他の方にもマスク着用をお願いしたいと答えた方が1名いた。

 

 さて、本題のハイキングだ。8:30に予定通りに出発した。幹事が1班の班長でマスクはしていない。メンバーも全員していない。対人距離1~2m取って歩いた。本日のコースは一ノ尾コースという。陣馬山に直登するコースの中では長いコースだが、登山口の道標には「100分」と書いてある。しかし、このコースタイムは厳しいようだ。幹事が一人で歩いて100分かかるのだ。これまで他の方をお連れして歩いているが120分はかかると思った方が良い。参考情報だが、右に行くと陣谷温泉がある。奥から姫谷温泉、陣渓園(岩風呂)、陣谷温泉(檜風呂)とあったが、姫谷温泉は廃業して登山口の看板もなくなった。左に行くと一ノ尾コースだ。

陣馬山での2班の集合写真

カキノキの濃い緑の大きな葉が美しい。少し行くとカンゾウが咲いていた。さらに進んでテイカカズラがある。地面に落ちた花をつまんで少々解説する。このコースはスタート直後の舗装道路がきつい。われわれ以外に他に5名ほどの方が前後して出発したので山頂までずっと抜きつ抜かれつだった。民家が終わり舗装道路が終わりアンテナのある場所で最初の休憩。ここで周囲を見ると、本日歩くコースの大半が目に入る。この眺めがいいのだ。なだらかな山稜が続いている。

 

 

歩き始めてすぐにガマズミがあって、花はもう散っている。地面に白い花びらがあれば上を見てどの木の花か探しましょうという。もちろん、ガマズミもコゴメウツギもマルバウツギも地面の花びらはなくなっている。しかし、オカトラノオが咲き始めていた。新顔があるのだ。しばらく歩いて、ヤマザクラの実が落ちているので今度はヤマザクラを探してもらった。この一ノ尾コースはまるで里山を歩いている雰囲気の場所があって、それがいい。コースの途中に「一ノ尾テラス」という場所があって、とても雰囲気がある。「一ノ尾テラス」という道標があって、簡単な絵まで彫り込んである。みなさんに本日のコースの私設道標(あるいは地元藤野町がある方に依頼したらしい)には共通の特徴があるのでよく見て下さいという。

ジンヨウイチヤクソウ(上)

 

一ノ尾コースを歩く(左、2班)

崩壊箇所を歩く(1班)


下から登ってくる二つ目の分岐と合流する。藤野北小学校から登ってくるのだ。わたしはこのコースを歩いたことがない。藤野駅を8:10に出るバスは、実はこの小学校の児童のためのバス路線なのだ。いつも小学生と一緒になったものだ。バス停で校長先生が待っていたものだ。さらに先に進んで和田バス停から一番近いコースと合流する。ここまで来ると残りは35分程度になる。みなさんの様子を見ると、どうやら無事に山頂まで行けそうで安心する。ここから最後の分岐まで20分ほどだが、やや登りになる。終点までバスに乗った方々と続々と合流する。最後の分岐で給水休憩を取る。一ノ尾コースの左下の集落は佐野川といい、日本の里山100選に選ばれている里山だ。春に美しい。佐野川峠はヤマザクラの名所だ。

 

 

最後の分岐から5分も歩くと少し急な登りに入る。下見の時にはまだ咲いていたマルバウツギは完全に終わっている。少し登ると踊り場のようなところに出て、そこから階段が始まる。少し休憩する。アマドコロとシモバシラの名所だが、アマドコロはもう雑草に被われてほとんど見えない。予定より5分ほど早く清水茶屋に着いた。富士山は頭だけ見えていた。生藤山は見えている。山頂に行き、11時まで休憩にした。この日は平日だったが、山頂の人出は完全にコロナ以前に戻っているというか越えていたと思う。5分後くらいに2班が到着。全員元気だ。もしバテた方が出れば、サポーターと一緒に和田峠に下って、陣馬高原下からバスに乗っていただく予定だったが、その心配はなかった。安心した。集合写真を撮って出発した。11時に出発した。


      キツネノボタン            大平で休憩するみなさん         咲き始めたオカトラノオ

下見の時はガマズミなども咲いていてまだ見るものがあったが、今は咲き残りのガマズミがあるだけで花はほとんどなかった。すれ違うハイカーは少なかった。明王峠には予定より少し早く着いた。明王峠でトイレタイム。伊豆ヶ岳でみなさんと約束した鳥バッチとカボチャアートを差し上げた。10分休憩で出発。ここからは階段続きで足が疲れるので、足下に注意していただく。15分ほどで林道に到着する。この林道付近がホタルカズラのポイントだ。さらに10分でイタドリ沢に向かう道標に至る。少し足を伸ばして「矢ノ音」の道標に出る。どちらも「一ノ尾テラス」の道標と同じ人の手によることがわかる。「矢ノ音」は地図にはすべて「やのおと」と表記されているが、ここの道標には「yanone」と書かれている。どうやら地元では「yanone」のようだ。

 

 

「矢ノ音」は通らずに左の道をまっすぐ進む。「矢ノ音」まで行き大平に下る道は急坂だ。矢ノ音からの急坂の道と合流する少し手前が昨年の台風19号で崩壊したが安全に通過できる。大平に着いた。大平にも個性的な道標があって、やはりくだんの方の手になるものらしい。どうやら大平小屋自体もそうらしい。以前、作業中の氏の姿を見かけたことがある。大平で昼食にした。7~8分遅れで2班が到着した。2班の方々にも鳥バッチとカボチャアートを差し上げた。1班は予定時間通りに出発した。今朝から何の花と葉かなと思っていたが、やっとウマノミツバと思い出した。この辺り特に秋の草花が美しい所だ。今はクサイチゴが一面に実をつけている。みなさん、まずクサイチゴを食べて、それから同じくたくさん成っている、モミジイチゴを食べてもらった。ニガイチゴも目につく。さらに進むと右手にスギの自然の造形がある。これも昨年の台風で倒れたものらしい。


             与瀬神社              与瀬神社から相模湖に向かって歩く(1班)

 少し先にやはり崩壊箇所があるが、そこも補修されていて安全に通過できる。地図に「孫山」と書いてある山の右側を巻いて行くと、詳細地図などでは「大久保林道ルート」を書いてある山道に出会う。山笑(やまにこ)会では4年前にここを下るハイキングを実施したのだが、当時から荒れていて、いまではもっと荒れているように見える。コースの説明をして「小孫山ノ頭」まで進む。5分もあれば登れるので、すでに終わったイカリソウをヒトリシズカの説明をするために歩いた。ヒトリシズカはもう実自体が落下している。4月下旬ならばたくさん見られる。山頂に到着する。「孫山」と書いてある。初めて来ると「小孫山ノ頭」を探すのだ。この「孫山」の山名標識は、おそらく藤野町が設置した公式の標識のようだ。

 

 小休止して尾根を下る。まず右から来る、巻き道と合流する。2班は孫山に登らない予定なので、どこから合流できるだろ。先に進むと、孫山・桂北コースと称される分岐にぶつかる。この分岐は下り易い道だが、麓に下りからの道が良く分からない。使わない方が無難だろう。孫山山頂から20分弱で相模湖の展望台に出る。相模湖対岸の石老山の崩壊箇所の説明をしていると2班が到着した。石老山の顕鏡寺コース、顕鏡寺の裏側斜面が台風19号で大崩壊したようで、当分、復旧のめどが立たないようだ。ここだけは掛け値なしの「通行禁止」だ。その土色の斜面が目に入るのだ。さらに15分下ると与瀬神社に至る。神社で参拝して、足が疲れたので階段はやめて斜路を歩いた。中央高速のこちら側に慈恩寺があるのだが、与瀬神社と慈恩寺に来るために巨大な跨線橋がある。与瀬神社から下って、この橋の手前に来ると、まるで相模湖へのジャンプ台に思えるほどだ。

 

 ここを横断して下って、線路沿いに15分ほど歩くと相模湖駅に着く。班ごとに振り返りをやり、解散とした。約3カ月振りの山笑(やまにこ)ハイキングだったが、みなさん再開を待ちわびておられたようで、大変喜んでいただけスタッフもうれしかった。

                                              (報告:稲葉 力)

参加者:13名

幹事:稲葉 力、班長:小野梨香、サポーター:古谷一佑