生藤山は予想外の好天に恵まれて、望外のサワフタギが迎えてくれた!

                        (2019年6月13日)

 木目も新しい上野原駅に、梅雨の晴れ間を口々に喜ぶ笑顔が集う。乗り込んだバスは、ほぼ貸切状態、クラスで遠足に向かうようなウキウキ気分があふれる。井戸バス停に降り立つと、初夏の青空の下、緑の山肌を白い雲の影が流れていた。「えっ、あれが雲の影ですか? 初めて見た・・・」との声。 人生初には、こんな思わぬ所でも出会えるものだ。

 

 マタタビの白化葉、オオバアサガラの垂れ下がる花穂などを眺めつつ、登山口から間も無くの軍刀利(ぐんだり)神社の一之鳥居を潜ると、ひんやりとした霊気に包まれてハッとする。ここは富士山系と秩父山系の龍脈の合流地、双龍が螺旋を描いて絡み合い湧き立つような屈指のパワースポットとして有名。それを肌で感じ、何やら一同、段々と神妙な面持ちに・・・・・・・。


      サワフタギは今年は成り年ですね~            軍刀利神社です。刀が奉納されています。

 二の鳥居を潜り苔で滑りそうな階段を手すりを頼りに登りゆくと、右手に巨大な剣が聳える拝殿前に到達。 大きな木造の刀の奉納も多数で、独特の雰囲気を醸す。拝殿左手には、剣に感化されたか花弁の細い、ホシザキイナモリソウの見事な群落。 ここに限っては、特別に「剣咲イナモリソウ」と呼びたい気持だ。

 

 更に奥の院へと登ると、水脈を吸い上げ天に噴き出すが如き、樹齢500年、樹高33m、根回り14mの巨大な桂のご神木が現れる。豊かに空に広がる條々の無数の葉から降り注ぐ木漏れ日がまぶしい。ここからの九十九折れの道には、バレリーナのようなウリノキの花が葉陰にくるりと揺れ、コアジサイの群れは薄紫に霞み立ち、登りの辛さを忘れさせてくれる。 鎌沢コースとの合流地点傍に下見でみつけた筈のイチヤクソウ、・・。う~ん、みつからず残念。


           稲葉班です。                         廣川班です。

 一旦三国山を過ぎ岩場を登り生藤山の頂きに到達。まだ新緑に映えるオレンジ色のヤマツツジが待っていてくれた。 ここは蝶の通り道

なのか、クロアゲハ、コジャノメ、タテハチョウの仲間などが、しきりに飛び交っていた。慎重に岩場を下り、再び三国山へ戻ってベンチのある広めの山頂で昼食。 これ程の晴天でも富士山は裾野が見えるだけだったが、先日登ったばかりの三ツ峠はくっきり見ることが出来た。 頂上に立ったばかりの山を遥かに眺める高揚感は格別だ。

 

 軍刀神社本社(消失前はここに鎮座、今は石祠が残る)~熊倉山~坊主山と続く笹尾根縦走路辺り、足元には鈴生りのミヤマナルコユリ、

目の高さには、淡雪が降り積もったようなサワフタギの白い花が次々と表れ歓声と枝を押さえ協力してのカメラ撮影も続く。下見ではみなかったトチバニンジンやアカショウマも蕾を擡げ、イカリソウは結実、確かな季節の進みを感じた。


            槙田班です。                  久保班です、やったぞ、生藤山!

 あちこちでヒトリシズカとフタリシズカの群落が混生していて、無事に上川乗に下山する迄には班の全員が、葉か実だけでも、はっきり違いを見分けることが出来るようになり、「見比べられて、やっとスッキリ分かりました!」と、とても喜んで頂けた。

 

 帰りのバスは、幹事の熱意がバス会社に伝わり、なんと空っぽの増便が先に到着して感激。 お客様全員が座れて武蔵五日市に到着、解散。いつも馴染みの蕎麦屋の主が入院され休業中で、下山後のビール&蕎麦打ち上げは出来ず、早のご回復とお店の再開を祈りたい。

以上

 

・参加者30名(申し込み者34名)

・幹事:稲葉 力

・スタッフ:槙田幹夫、久保雅春、廣川妙子(報告)、小野梨香