涼しい白谷沢で沢歩きを楽しみ、棒ノ折山から百軒茶屋コースを清東橋バス停まで下り、最後は「ちわき」で乾杯!

 岩間の一滴の雫は勢いを集め狭いゴルジュ(岩喉)に流れ込み、轟音とともに真っ白な飛沫を上げ滝となり噴き出す、やがて滑らかに岩肌を撫でゆく流れは何処までも澄んで、見詰めるこちらまで清らに穏やかになる。「日本は水の国」その変幻自在の水の姿を存分に味わうハイキングとなった。飯能~河又名栗湖入口のバスの車窓からは、左に入間川、右に支流が幾筋も見える。前日下見で問題ないと確認されていたが、下見時の濁流とは打って変わり穏やかな流れを目にしてホッとする。

 

 バス停から登山口までの車道は直ぐに上りなのでややきつく、キツネノマゴ、ハグロソウ、ヘクソカズラ、ヌスビトハギ、ニガクサ、クサギ、オトコエシ、コボタンヅル等の晩夏~初秋の花、若い栗や柿、アカメガシワ、ヤシャブシの実等を見ては話しで凌ぐ。見所資料の中の「23出複葉」に質問あり、コボタンヅルの葉で説明。「初めて理解できた」と言って頂け嬉しい。名栗湖(有間ダム)の翡翠色の湖面の上には、アキアカネ?が気持ちよさそうに群れ飛んでいた。

 

一番の難所を渡渉する

5月末には水がなかったが、・・

唯一の鎖場を登る


 白谷沢入口に立ち、溪谷からのひんやりした風を受け出発。岩肌を飾る白藤の花房の如き「藤掛の滝」が迎えてくれ、真っ白な流れと清冽な滝音に足を留める。折々、マツカゼソウ、ハエドクソウ、コウヤボウキ等にも足を留める。勾配が緩くなり、いよいよ次々と渡渉(沢の中を歩いて渡る)点が現れる。

「例え落ちたとしても、ちょっと靴が濡れるだけ」

「どの石を踏んで行くか最初に見定め、テンポよく」

「ビクビクして止まってしまわないこと」

「童心に帰って、楽しんで」

 

と伝え、最初に見本を示し渡って見守ると、皆さんなかなか思い切りよく上手で、「スリルあったけど、楽しかった~!」と、上気した頬で仰る方あり、胸に手を置きホッと溜息をつかれる方あり。

 

 ゴルジュ(喉の意の仏語狭く高い岩の間)部分で岸壁にしがみついて渡る所は、轟音も相まりドキドキ感が高まるが、下は足首にも満たない浅瀬。渡って振り返り、必死で渡っている方を見ているほうが手に汗握る位だ。続く鎖とロープの岩登り、これもピンと張って岩と鎖と身体で三角を作れば安定して登れる。どちらも怖がらず、挑む心で向かうと楽しくなってくるものだ。右手に階段が現れると、水と戯れ興奮の沢歩きともお別れ。長く続く階段は急勾配でキツイので呼吸が上がらないようゆっくり登る。しかし、ここで登りが苦手な方々との間が開き始め度々待つ間に1班は見えなくなり、岩茸石~権次入峠~棒ノ折山頂までサポート・スタッフに託し助けて貰う。


棒ノ折山山頂の記念写真(稲葉班、廣川班、久保班)

 辿り着いた棒ノ折山頂は東屋のある広場で、4月に高水から登った時は雪で一面真っ白、今は緑のススキが生い茂っていた。晴れた時には筑波山まで見渡せるが、生憎ガスが立ち込め眺望はなし。昼食休憩中、お客様の希望や体力・体調に合わせて班の所属を調整。 早めに下山し食事処「ちわき」でゆっくりしたい人は1班のまま、「ちわき」には行けずとも、ゆっくり下山したい人は3班「ゆっくり歩き隊」に、サポート・スタッフを加えた上、1,2班から合計5名を移動した。

 

 百軒茶屋の標識に向かい、棒ノ折山頂~食事処「ちわき」(小中茶屋BS)の下山は、約1時間半。やや急な所、狭い所もあるが、普通に気を付けて歩けば問題は無い。暫くは薄暗めの植林帯で、ポツポツとヤマジノホトトギスが咲き出していた。段々と沢音が聞こえて来る頃には瑞々しい青草が茂り、苔に見事に覆われた倒木は緑のソファのよう。オクモミジハグマ、マツカゼソウ、モミジガサ、タマアジサイ、まだイワタバコも露を帯び綺麗に咲いていた。


「古民家食事処ちわき」でカンパーイ!

 そして、ゆっくり歩き隊はゆっくり歩いてこそで、可憐なシュスラン?(記録写真がピンボケではっきりしない)を発見し感動、撮影などして大いに盛り上がり、更にゆっくりと楽しんだそうだ。ワサビ田が見えれば、登山道終点「清東橋」は、もう近い。1,2班はほぼ予定通り、眼下に溪谷を抱く「ちわき」に到着、さっぱりと着替え、呑み班は、天ぷら、小鉢、お蕎麦などとビールで乾杯!スィーツ班は、クリームソーダ、冷やし汁粉、おやき等で一時間余り寛いだ。「ちわき」に寄らない方と3班は、清東橋BS(綺麗なトイレと東屋ある)で着替えと休憩、6030分程バスを待って乗り、2つ先の小中茶屋BSで乗り込んで来た1,2班と合流し川井駅に向かう。(数名は「ちわき」にて次のバスまで延長呑み。山笑会で知り合い、会話が弾み杯を重ねる間柄となったことが嬉しい。)

 

 今回も怪我無く無事の解散となり、スタッフ、参加者の皆さま、お守り下さる神仏に手を合わせ、感謝の気持ちを申し上げた。(おわり)

 

参加者26名

幹事:稲葉、スタッフ:久保、廣川、小野

 

報告:廣川

咲き残りのイワタバコ