湯ノ沢峠から大蔵高丸~ハマイバ丸~大谷ケ丸と歩き、

      米背負沢の爽快沢歩きを楽しみ、最後はやまと天目山温泉に入った!

 

甲斐大和駅に着いたら常連さんが8人も来ていた。予想よりいい天気でこの時点では青空が広がっていた。途中右手に八大竜王神社がある。前回、お祈りをおろそかにしてガスガスの山になったので、スタッフの1人はおごそかに手を合わせ祈ったそうだ。その効果もあって、昼までは持つのではないかと希望を抱かせた。林道の途中で富士山の見えるポイントがあるのだが、雲の間に山頂が見えただけだった。本日、最初にして最後の富士山だった。

 

湯ノ沢峠に至る林道の最後は大変なデコボコ道でタクシーが上下左右に揺れながら進む。予定より少し早い時間に到着した。ここでトイレと受付を順番に済ませていただいた。コースの説明、安全注意をする。幹事としては普段はストックを積極的に推奨することはないのだが、今回に限ってハマイバ丸からの下りが滑りやすいので、ストックのある方には活用を勧めておいた。ただし、ストック先端のカバーは取らないと意味がないよとお伝えました。

 

 

今回は、3班編制とした。「ゆっくり歩き隊」は、ご本人が「ゆっくり歩き隊」班で歩きたいと希望された方だけで編成、先頭の青班は山笑(やまにこ)会のハイキングの経験が多い方で自他ともに「体力あり」と認知されている方ばかり、2番目の黄色班はこれまでの経験から、どちらでもない方で編成した。歩き出して約45分後の大蔵高丸の山頂で、3人の班長が集合して、黄色班と「ゆっくり歩き隊」のメンバーの調整をすることにしていた。以降、大谷ケ丸(おおやがまる)の往復までお互いに会えない可能性があるからだ。

 

 湯ノ沢峠には小さな屋根掛けの下にカウンターが4個おいてあった。ハマイバ丸と大蔵高丸のカウンターもあって、押すと「さあ、行くぞ」という気になるのが面白い。山道は水しずくを帯びた笹に被われてズボンの裾がぬれる。間もなく動物よけの柵とゲートが現れた。湯ノ沢峠とハマイバ丸の間は、何カ所か柵で被われていて山野草を保護しているそうで、びっくりするほど山野草が多い。セイタカトウヒレン、ハナイカリ、キオン、そしてこれでどうかというほどのマツムシソウ、忘れてはいけないウスユキソウなどなど山野草の魅力満載だった。一方で柵を出ると山野草がほとんどなくススキなどばかりになり、獣害がいかに大きいか認識させられる。


 大蔵高丸山頂の青班(稲葉班長)       黄色班(廣川班長)              赤班(久保班長)

 

ハマイバ丸の山頂で今回は幹事のわたしもストックを出した。ただし、わたしは先端のカバーは取らなかった。幹事がストックを出したら、みなさんが一斉に警戒した。そういう効果はあったようだ。実際に滑りやすい場所を通過すると、下見ほどではなかった。先頭で降りきって残りのメンバーが下ってくるのを眺めていると思ったより順調だった。念のために書くとストックを使ったのは半数、降りながら滑りにくい降り方を研究しながら下った方もいて感心させられた。天下石で休憩して米背負峠へ。予定通り、メンバーに手伝っていただき、仮設トイレ用に木にシートを巡らせた。100円のショップの1.8m角シートを4枚、ガムテープで貼り合わせたもので、ハトメに紐を固定してある。行程3時間以上でトイレがない場合には設置を検討している。女性陣に花つみしていただき大谷ケ丸(おおやがまる)に向かった。

 

  大谷ケ丸、展望がない。しかし、大菩薩連山を全山縦走するには欠かせないよ、と説明したのがきいたのか、1/3は登らないと思っていたのに、29名中28名が登るのを希望する結果となった。実はこの往復40分の行程をカットするとグンと楽になるので希望者が多いと見込んでいたのだが、幹事は山笑(やまにこ)の参加者を見くびっていたのだろうか。大谷ケ丸に登りながら、「あらら、今日一番の登りですね」なんて楽しんでおられた。大谷ケ丸山頂に着いて、滝子山への道標を見ていただき、「12月は滝子山から大谷ヶ丸を展望します」と説明した。


  大谷ケ丸山頂の青班(稲葉班長)        黄色班(廣川班長)           赤班(久保班長)

 

下り始めるとすぐに黄色班が上がって来た。班長が「どうしてこんなに早いんですか、花をちゃんと見ましたか」と失礼なことをいう。幹事が早いのではなく、青班の常連さんが早いのです。もう少し行くと、「ゆっくり歩き隊」が登場して安心した。大谷ヶ丸を希望されない方は合計4人になったそうだ。米背負峠に降りて仮設シートの撤収。シートは軽いがかさばるのが難点だ。しかし、合計432円の魅力には負ける。

 

 シートを撤収して弁当を食べているといると、青班のメンバーが「飛竜山にはいつ行くんですか」と聞いてきた。1030日に考えていると答えたら、わたしも行きたい、わたしも行きたいと予定した5人に達してしまった。おいおい、公募できないじゃないかとなった。そして、黄色班、ゆっくり歩きた隊が降りてきた。黄色班に「体が冷えたので青班と先に歩きたい」という希望者がいて、青班は1名増加の編成となった。予定時間の10分前に幹事がザックを背負うと、青班のみなさんがザックを背負って下山体制になった。「みなさん、まだ早いよ」というと「条件反射になりました」というではないか。ならばということで、よろこんで10分早く下山開始した。

 

米背負峠から約40分間は沢沿いの山道を下るのだが、踏み跡がはっきりしない道でときどきルートファインディングをしながら、ときには少し迷って歩く。少し迷ってもほとんど問題のない道だ。ガマズミが赤い実をつけて葉が紅葉していたり、そろそろ秋の気配を感じさせるいい雰囲気だった。今回のハイキングは軽めなので青班は疲れがほとんどないようで順調に幹事についてきてくれた。黄色班から加わった方も順調に歩いていた。小休止して林道歩きが始まった。ここももう少し遅いと紅葉がきれいだろう山道だ。道の両側の樹木を観察しながら下るとポツポツと降ってきた、あれあれ予定してないよ、といいながら歩くと、通り雨のようになって来たので、雨具を着ることにした。雨は強いのだが雨具の上だけ着用した。たとえ、少々体がぬれても今日は温泉があり着替えもあると安心だったようだ。

 

 30分ばかり雨の中を歩き、その間はもくもくと歩いた。そして長さ100mばかりのトンネルに出た。下見のときもヘッドランプなしで歩いたが、幹事はこの日も先頭を声を出しながらヘッドランプなしで歩いた。暗いといってもトンネルの側壁が少し光っているのでまっすぐ歩けば大丈夫なのだ。ということで平衡感覚の試験のような歩行をしながら歩くと反対側の入り口が見えた。またしばらく歩いて、今度は天目山温泉近くのトンネルに出た。ここで後続を少し待ち、やまと天目山温泉へ。1425分だった。


         ススキの原を行く黄色班                 声をかけあって倒木をくぐる黄色班

 

タクシー会社に連絡を入れて、15時に2台呼んでおいた。毎回、温泉には入らず早く帰宅される方がいる。夫のため、あるいは孫のために早く帰宅するのだそうだ。黄色班の班長に電話をかけるとやっと通じて、15時前に到着すると判断した。この時間は下見時に想定した予定時間だった。スタッフの判断は間違ってなかったことになる。間もなく到着した。少し遅れて「ゆっくり歩き隊」も到着したが、こちらは筋肉痛を起こした方がおられて、全体がばらついていた。「ゆっくり歩き隊」が機能したといっていいだろう。

 

タクシーで帰る方々を見送り、残りは温泉へ。幹事は早く温泉から上がった方々と乾杯して楽しく本日の感想を聞こうと思ったら、話はすでに102日の秩父丸山の件に飛ぶのだった。残った人で天目発の市民バスを独占して甲斐大和駅に向かった。翌日23人から「最後の最後に雨が降りましたが、とても楽しかったです。」という内容のメールをいただいた。幹事冥利に尽きる。次回も楽しみましょう。

 

                                               (報告:稲葉 力)

幹事:稲葉 力

スタッフ:久保 雅春、廣川妙子

参加者:29名(申し込み34名、キャンセル2名、選外3名)