急坂を登って高岩山、イワウチワに感激、鍋割山ではカタクリの群生、

きつかったけど満足!

 気温の上がった下見状況により、やや健脚向き健脚向き寄りに変更のご案内を応募者に差し上げ、体力に不安の有る方、帰宅時間が遅れては都合が悪い方等のキャンセルを頂いたので、やや降水確率が高めの予報ながらも当日のキャンセルはゼロ、西東京バスさんより専用の増便バスも出して頂け、悠々の出発となった。

 

 登山口の養澤神社では、天に舞い上がる双龍のお出迎えに目を奪われる中、

 

「これは何ですか~?」と目利きの常連さんの声に駆け付けると、ラショウモンカズラ、一輪咲き出したニオイタチツボスミレと出発前から想定外の嬉しいスター登場に湧く。


         いきなり急登が始まる                   ときどき緩斜面が登場、楽になる

 神社前と一つ先の上養沢(手を振れば見える距離)のトイレ(各1室)に分散して用を済ませる。神社に掌を合わせ無事を祈り、目前に仰ぎ見る急斜面に、ストックなし両手両足を使って一歩一歩慎重に取りついて行く。道は整備され途中には手すりも設置されていて、注意さえ怠らなければ安全な道だ。 

 

 

30分程でやや緩やかな斜面となり、可愛らしいフモトスミレやチゴユリの群生に歓声を上げ覗き込む余裕も生まれた。これほど全山に溢れるフモトスミレの花を見たのは初めてだったが、葉の形や斑入り、花の表情の変化など、幾ら見ていても飽きない可愛らしいスミレたちだ。


       809mピーク手前の急な登り                奥ノ院でホット集合写真(廣川班)

 登りと緩やかなタルミがいい按配に現れて休息にありがたい。 左右に今まで山笑(やまにこ)会で歩いて来た、馬頭刈尾根・金毘羅尾根の山々が見えて懐かしい。やがて知らなければ通り過ぎてしまいそうなイワウチワ群生地に到着。 目が慣れて来ると、あそこにもここにもと数え切れない程のイワウチワが見え

て来て、白から濃い目のピンクまでの花色の変化の妙、並んで風に揺れる花々の風情に心を奪われる。但し、この場所は全員が撮影するには狭すぎるので、眺めるだけに留め、後のもう一つのポイントで十分に時間を取り楽しんで頂いた。

 

 1130の早めの昼食は東屋のある展望台。 残念ながら一面真っ白なガスに包まれて展望は利かなかったが、まるで高山に来たような趣が楽しめた。少し降りた先に仮設トイレを設置し、必要な方に使用して頂き、後半のお楽しみに出発。

 

 

 お馴染みの芥場峠・中沢の頭を通過して鍋割山へ向かうと、左右にカタクリの花が無数に広がっており、さながら森の中の楽園のよう。ふり返ると、先程歩いて来たサルギ尾根の山々が見え、良く歩いて来たものと自分たちを褒めたくなる。 


          集合写真(稲葉班)                     集合写真(槙田班)

鍋割山で本日の最高地点を確認、一度下って、いよいよ目的の奥ノ院への最後の登りだ。 ゴロゴロした大岩の間を抜けると思いがけず唐突に石祠の後ろに出る。 御岳山からの登りの長さを考えると拍子抜けしてしまう程だ。山頂からの展望はほぼ大岳方面しか望めないが、御岳山が奥ノ院の遥拝所とされるように、こちらは大岳を遥拝する為の山にも思える。手を広げ天を仰ぐような奇妙な木も印象的だ。

 

奥ノ院周りのシロヤシオの早咲きを期待していたのだが、残念ながら今年の開花は平年並みの5月になりそうだ。シロヤシオと展望台からの眺めは、来年のお楽しみと相成った。それもまたよしとお客様から励まされ、何ともありがたいことである。

 

 奥の院山頂下の日本武尊を祀る奥社にお参り、またしても広がるカタクリの群生を安全な場所で留まって楽しみ、続いてお妃の弟橘姫を祀る塚にもお参りし、無事に奥ノ院(男具那の峰、甲羅山)を下山、天狗の腰掛杉へと向かう。

神苑の森の道でもカタクリ、ミヤマシキミ、ナガバのスミレサイシン、エイザンスミレ、最後のヒナスミレの一輪などにも出会て、鳥居下に到着。 いきなり里へ出た気分。

 

 

参道を抜け神代欅の下を潜り、左手の石垣の上ではニリンソウ、アズマイチゲ、トリカブト、ヤマエンゴサク、ミヤマキケマン、小さなアマナのようなヒメニラ等にも目を留め、まだまだ咲き残っていた桜の花々とその向こうに広がる新緑の山の色合いに日本の山の美しさを思い、最後に今登って来た奥ノ院の峰を仰ぎ、再び「良く登った、歩いた、頑張った~!」と感慨に耽り、今日の佳き日と健康に感謝したい気持となった。


      最後まで観察に余念がない(廣川班)       ケーブル駅で振返り、「実はこれは中級クラスだね~」(稲葉班)

 ケーブル、バスと乗継ぎ、御嶽駅前に全員無事に降り立つと、「今日はお蕎麦とビール、行かないのですか?」「汗をいっぱいかいたから、ビール飲みたいなぁ」とのお客さまからの呼びかけあり、十数人で意気揚々と玉川屋へGO

 

お客様同士の顔なじみも増え、和やかというか賑やかな打上げとなった。山登りも観察会も楽しいけれど、皆さんとの会話も楽しい、山笑(やまにこ)会もとうとうそんな常連さんが増えて嬉しい限りである。(おわり)

 

参加者26名(他にキャンセル6名)

幹事:廣川妙子(報告)

スタッフ:稲葉力、槙田幹夫、小野梨香