朝、富士山にかかっていた雲はわれわれが登り始めると晴れた。
全員、ほぼ予定通りに歩け、予定のバスに乗車できた!
~2024年7月25日(木)~
東京周辺の例えば、高尾山、奥多摩周辺をハイキングしていると富士山が大きく目に入るが、その富士山の前には丹沢の「大室山、加入道山」が露払いのように鎮座している。その二つには苦労して、山笑(やまにこ)会で今年の3月14日に登った。そして、大月市の秀麗富嶽十二景に登ると(現在も順番に登っている)今度は露払いは「御正体山、杓子山、三ツ峠」に変わるのだ。こちらは三ツ峠しか済んでいない。
さらに山中湖周辺の三国山、石割山等に登ると富士山の左の方に「越前岳、位牌岳」、少し離れて箱根に近く「金時山と明神ヶ岳」が見えて来るが、金時山も明神ヶ岳も過去に登った。ついでに書いておくと、富士山の西側には天子山塊があり、「長者ヶ岳、天子ヶ岳」がある。さらに右手側に「越前岳と位牌岳」が見える。長者ヶ岳、天子ヶ岳も昨年5月下旬に実施した。今回は富士山のすぐ北側の御坂山塊に関しては省略する。御坂山塊もほぼ終了しているのだ。
富士見台(ゆっくり班2とゆっくり班1)
越前岳山頂のゆっくり班1
黒岳山頂のゆっくり班2(無事にバスに間に合いそうだ!)川原さん
さて、昨年眺めた越前岳、位牌岳を今度は登ろうと計画した。この2つは少し離れているので、今回は「黒岳と越前岳」の企画とした。黒岳と越前岳は一度で縦走することができる。幹事が一人で愛鷹登山口バス停から縦走すると、9時10分頃に愛鷹登山口から縦走を開始して13時45分に十里木バス停に下山してバスに乗ることができた。しかし、今回の多人数のハイキング用のコースとして縦走コースを考えると、御殿場駅を出るバスは8時30分発で十里木バス停には9時20分着なので、トイレを済ませてスタートするのは9時45分頃になる。これではどう計算しても、愛鷹登山口15時9分発のバスには間に合いそうにない。このバスを逃すと、18時過ぎまでバスがないのだ。そこでタクシーによる送迎が登場する(この事情は追記に書く)。
最終的に参加者のみなさんには7時57分御殿場着の電車で来ていただき、順番にタクシーに乗り、十里木駐車場まで行くことにした。バスで行くと十里木駐車場スタートは、先に書いたが9時45分頃になるのだが、タクシーで行くと8時55分にはスタートできるので約50分早くなる。結局、「プラス班」は14時20分頃にバス停に到着、「ゆっくり班1と2」も14時40分ころには到着できると計算した。「ゆっくり班1と2」も15時9分愛鷹登山口発のバスに間に合うと判断した。ちなみにバス代は、1,030円、タクシー代は5,950円だった。
十里木高原展望台のプラス班
越前岳山頂のプラス班(ここは展望なし)
黒岳山頂のプラス班(ここは草地あり、ベンチあり、展望よく、富士山も見える)
タクシーのスタートと到着がずれた(先頭と最後尾で15分ほど時間差が生じた)ので、十里木駐車場のトイレ前のスタートは9時になった(わがゆっくり班1)。御殿場駅を出るときは、上空には青空が広がっていたが、富士山方面には雲がかかっていて、幹事としては少々憂うつだった。「富士山を見に行こう企画」で富士山が見えないのじゃ看板倒れだし、越前岳の登りのペースも越前岳から鋸山展望台までのペースも計画時間通りに歩けるか気になっていた。
ところが、いざ歩き始め、スタートの長い階段をきつい準備運動のつもりで登っていると、何と晴れてきたではないか。最初の息抜きである十里木展望台に着くと、視界がパッと開けそして富士山が聳え立ち、緑のアプローチが目に入った。これはうれしかった。最初の関門突破である。そして、ここからは比較的樹木の多いコースを登るのだ。昔から登られている登山道は現在ではガリー状(深いV字谷状)になっており、それを避けて左右に笹をかき分けるような山道が作られている。だから比較的直射日光が避けられるのだ。
まだまだ元気なゆっくり班1(十里木展望台)
馬ノ背見晴台(富士山が見えて気持ちがいい。鈴木さん)
ストックの使い方教室(馬ノ背見晴台)川原さん
前方に電波塔が見えて来ると約10分程度で「馬ノ背見晴台」に着く。わが「ゆっくり班2」の到着は予定の5分遅れだった。みなさん、全く元気だ。約45分行動してこれなら大丈夫だ。同じような山道を登り続けるのだが、ここからは右に寄り添うような道は少し斜面になる。周りにある立ち木を利用して、これを手掛かりにして登る。こういった登り方は面白い方には面白いのだが、不得意な方もおられる。今日は幹事は班長といっても引率するのは3人だけだった。歩きながら後ろを見て差が開かないようにする。大体、想定したタイムで歩いていただき、後ろから「そろそろ休みませんか」という声がして時間を確認すると30分経過していたので、休もうと思ったが、「平坦地が近いはずだ」と思い、一人だけ少し先に行くと案の定「平坦地」でみなさんを呼んだ。この場所は、確かに急な斜面の中の「わずかな平坦地」なのだ。馬ノ背見晴台からの所要時間は計画とピッタリ一緒だった。これで安心した。
先に「プラス班」の一行が休憩しており、わが班に続いて「ゆっくり班1」も到着した。富士山は樹木の間から上部が見えている。ここからは33分ほどで山頂に着くのだが、わが「ゆっくり班2」は先が見えたので途中で2回休憩することにした。平坦地を過ぎるとまた急な斜面が続いて、突然目の前が開け、ガレ地が登場する。油断すると下に落下しそうな、かなりの迫力を感じる展望だ。その上で小休止した。そしてさらに進むと傾斜が緩くなり、そこが「勢子辻(せこつじ)分岐」だ。ここでも休憩した。そして同じようなゆるい登りが続き越前岳の山頂に着いた。プラス班がすでに昼食を食べていた。
軽食タイムを済ませて、11時21分に出た。ここからは「ゆっくり班1」がわが班の前を歩いた。ゆるやかなアップダウンを繰り返し、富士見台に到着したが、看板の富士山は見えなかった。青空は見えているのだが、富士山は見えなかった。さて、ここからもガリーの主として右側を巻きながら歩く。そして鋸岳の対面する緩やかな岩場の左側を歩く。実はここの下りも結構所要時間を気にしていたが、みなさん、意外と苦にしないで通過して下さった。しかし、ここでも売り物の鋸岳の展望はガスに隠れていた。まあ、雨が降らないだけいいよ、思うことにした。
バス停に向かう途中のツチアケビ(川原さん)
気持ちの良い黒岳の山頂(休憩時間を5分間短縮しました。ごめんなさい。)
黒岳の下りで見つけたツルリンドウ
鋸岳展望台からは、岩っぽい山道もほぼ終わるので、淡々と下るのだが、疲れて来る時間帯でもあり、隊列がばらけやや伸びた。前方に「プラス班」の一行が目に入り、「富士見峠」に12時43分に到着した。みなさんの疲れ具合を聞き、愛鷹登山口バス停までの所要時間を説明し(約2時間)、ザックを置いて黒岳を往復することにした。お一人は後続班に連絡して後続班に編入することにした。ザックを置いたせいかみなさん元気回復でわずか19分で(コースタイムは25分)黒岳に到着した。途中の「黒岳展望台」では残念ながら、絶景の富士山は展望できず麓だけは見えていた。コースタイムよりも早かったので休憩時間を伸ばした。山頂ではサンショウバラのトゲトゲの実、ゴマギの葉のゴマの香りを楽しんだ。さて、いよいよ下ろうかというときに遅れていた「ゆっくり班1」が到着して、これで参加者全員が黒岳にも登頂できた。良かった、良かった。
富士見峠への下りも順調だったが、先を行くプラス班も余裕があり、山野草の写真を撮りながら下っていた。ツルリンドウがきれいだった。富士見峠でザックを回収し、小休憩して山神社目指してスタートした。山神社への下りはコースタイムが40分で結構岩っぽい場所があり、鉄梯子もある。そしてイワタバコが見られる場所もある。時間的には目標時間に到着できることがわかったので、休み休み歩けば良かったのだが、みなさん順調に歩かれたのでほとんど休憩しなかった。途中、ロープのかかっている場所と鉄梯子のある場所に限ってイワタバコがあった。35分ほど下るとまず山神社が見えてきて、鳥居が見えて、プラス班が余裕で写真を撮っていた。わが「ゆっくり班2」は準備したコース図の所要時間より、結果的に10分近く早かった。総じて、下りが幹事の計算時間以上に早かったようだ。「ゆっくり班1」も15分ほど遅れて到着した。それを見て幹事は着替えて、幹事標準装備の缶ビールを、心から安堵して飲んだのである。
富士見峠を下る途中の唯一の梯子箇所(右にイワタバコがあった)
そこで撮ったイワタバコ(鈴木さん)
ここが山神社、終点、ご苦労様(ゆっくり班2,鈴木さん)
ご参加いただいたみなさん、タクシー問題とコースタイム問題でご迷惑をおかけしました。結果的に苦労して計算したコースタイムよりも早く「ゆっくり班」も歩くことができ、予定したバスにも間に合うどころか、御殿場線にもギリギリで間に合いました。富士山にも対面することができました。雷雨にも会うことがありませんでした。黒岳の休憩時間を短縮するなど運営に協力していただきありがとうございました。
(追記)御殿場のタクシー会社4社に、「7月25日の15時頃に来て欲しい」と予約の電話をしましたが、すべて場所と時間を伝えると断られました(正確には、手配できませんといわれる)。今回の苦労は、そのために15時9分のバスに間に合わせようと考えたことにあります。次のバスは最終バスで18時過ぎなのです。昨年の経験からも富士山周辺のハイキングでは、タクシーは鬼門です。ご注意下さい。
・参加者:13名(申し込み16名、キャンセル3名)
・スタッフ:稲葉(幹事)、小野(班長)、福山(班長)
・報告:稲葉 力(25年)、写真(小野、福山、稲葉、鈴木さん、川原さん)
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