残念ながら、最終リフトの「グラートクワッドリフト」から降りて、しばらく雨で待機し、

   小雨の中を歩きだしたが、結局、八方池で中止、撤退となった。今回は「残念」報告とする。

               ~2023年7月12日(水)~

 

 じっとしていても汗が流れる東京近郊の街を離れて長野駅。それなりに厚さはあるがちょっと違う。その長野駅に朝8時過ぎには参加者が集い、スタッフ含めた全員が白馬乗鞍行きのバスに乗車した。バスの降車地は白馬八方バスターミナル。そこから約10分程歩くとゴンドラ駅に到着だ。ここから一日目、唐松岳頂上山荘を目指し、翌日の二日目山頂へ行き、麓に下る行程の山旅が始まった。ここからゴンドラとリフトを乗り継ぐ。途中の1680mの黒菱平ではニッコウキスゲが咲き誇り綺麗な黄色の花に混ざり、白いコバイケイソウがふわふわと揺れている。更にリフトに乗ると1830mの八方池山荘のある地点に到着する。

 ゴンドラ乗り場で二人がお出迎え

 

 

 

 

ここから始まるゴンドラの旅

(有田さん)

リフト乗り場に向かう(ニッコウキスゲ)


 そこからの白馬三山の眺めが絶景なのだが、三山の頂上付近は雲で覆われていた。この山荘のある場所には麓から一気に標高を上げて到着するため人によっては軽度の高度障害が起こるためゆっくりと身体を慣れさせて頂き出発する予定にしていた。しかし、雨が降り出したため雨具の準備をして頂き、小降りになることを待ちつつ、身体を休めて頂く。気温としては寒くもなく暑くもなく身体の負担は少ないのが何よりだ。

 

 今回は2班で幹事班とスタッフ班だ。歩き始めはほぼ同じペースで歩くことにしていた。昼食後余力が十分な方とそうでもない方に分かれるつもりでいた。

 

 そうしていると雨が止んだ。それじゃということで、出発する。岩がごろごろするルートを進むが、足元にはイブキジャコウソウやミヤマカラマツ、イワシモツケ、シモツケソウ、白いオニシモツケもあった。高山植物を見ながら、そして周囲の北アルプスならではの景色を見ながら歩くが、天気はどうも良くない。晴れていればもっともっと絶景が楽しめるはずなのだが、思うようにいかないものが自然で、天気だと改めて実感。


 11時頃のスタート時点から雨具装着    八方池に向かうスタッフ班(川原さん)     第2ケルンで集合写真

 この状態があと数時間、出来れば3時間ほど続いてくれればと願いながら歩く。参加メンバーは雨具装着で黙々と高山植物を見ながら、足元にも気を付けながら歩いていた。山には雨も付き物だと心得ているようだ。ヤマブキショウマはそこここに咲き誇り白くふわふわと揺れている。足元には普段は見ない食虫植物のムシトリスミレ、キバナノカワラマツバ、ホソバツメクサ、ミヤマムラサキも咲きだしていた。当初は岩場を登りで歩くという予定でいたが、雨も降り出しつつあることで途中で木道コースを幹事は歩き進むことにすると岩場には無かった高山植物も現れ、そんな花々に興奮しながらも歩き進める。木道の向こうの遠目にハクサンコザクラかユキワリソウがピンクの花をつけて咲いていた。

 

 雨で木道も滑りやすくなっていることもあり近づいたり身をかがめることもリスクがあるのでやめておく。左右に様々な形で現れる花々に写真を撮る方、眺めては歩き進める方とそれぞれ花を堪能している。 標高2035mの第二ケルンに到着だ。モニュメントがあるので全員で記念集合写真を撮った。


  八方池手前の小さな雪渓を歩く       これが八方池、対岸で撤退   後ろの班(雲が上がって来る、有田さん

 そうして落ち着いた時間は短く、雨が降り出す。雨だけならまだしも風も徐々に強くなり、今まで見えていた白馬三山の雄姿も雲の中に入ってしまった。そんな中、標高2060mの八方池に到着した。本来ならばここで白馬三山の雄姿を眺めながらのんびりとランチタイムとする予定だったが、スタッフで話し合いここで撤退と決めた。すぐに参加メンバーに撤退すること、ゴンドラが動いているうちに麓に下りることとする旨をお伝えした。

 

 参加者のみなさんは誰一人不平不満は言わず、スタッフに従うと納得して下さる。雨の中ではお昼も食べることも出来ずであったが、さぁ下りましょうと言うとみなさんは心得た様子でちゃんと一緒に歩き始めてくださった。

 

 

 山頂を踏まずに撤退は初めてのことではないだろうか?!非常に残念だが、安全確保が第一優先だ。八方池から山小屋まで最短でも2時間30分は掛かる。この風雨の中の2時間30分は長い長い道のりだ。そういうことで撤退と決めた。


   ミヤマクワガタ(稲葉)       イブキジャコウソウ(菊地さん)       ミヤマウスユキソウ(稲葉)

 後はゆっくりでも安全第一に下るだけだ。木道も、濡れて滑りやすい岩場もみなさん無事通過。ハクサンチドリ、ノビネチドリ、ネバリノギラン等数々の高山植物ともお別れだ。下りも全員無事に順調に歩いて八方池山荘地点の、グラートクワッドリフトという4人乗りのリフトの乗車地に到着した。上がった時同様に順番にリフト、ゴンドラを乗り継いで麓駅だ。

 

 麓の白馬八方も雨は降ったようだが、晴れていた。やはり山は山、初心者向けの山と言えどここは北アルプスだと改めて山の大きさを感じた。白馬八方BTまで歩き、今回の山旅を終えることとして解散した。有志で白馬界隈のホテルに泊まった方々もいらしたようだ。もちろん、まっすぐにお帰りの方もいた。

     残念ながら撤退

 ときどき強い雨が降り風が吹いた

 

 

 

最後のリフト乗り場の前はニッコウキスゲの大群落だった


 ご参加頂いたみなさま、本当に心から感謝致します。

お疲れ様でした。そしてありがとうございました!

山笑(やまにこ)会スタッフ全員より感謝申し上げたいと思います。

有田さん、菊地さん、川原さん、都丸さん、写真のご提供ありがとうございました!

 

・参加者:17名(申し込み19名、キャンセル2名)

・スタッフ:小野(幹事)、稲葉(班長)

・報告:小野梨香(30年)、写真提供(小野、有田さん、菊地さん、川原さん、都丸さん、稲葉)