12月1日の石割神社のお参りの効果か、天気予報は外れ青空が広がり温かかった。

  鋸尾根は意外に歩きごたえがあり、天地山の岩場は楽しく、下りは枯れ葉の海だった。

            ~2023年12月11日(月)~

 

 2015年に「にこにこ会」の活動を始めたのだが、始めた翌年の2016年9月に奥多摩湖から御前山に登り、鋸山まで行き鋸尾根を奥多摩駅に下る企画を実施した。しかし、御前山の登りで体調不良で引き返す方が出て、一部の方が予定通り鋸尾根を縦走できなかった。それでは申し訳ないと、翌年、2017年4月に再度、同じ計画で鋸尾根を下った。この2回が、「山笑(やまにこ)会」として、鋸尾根を歩いた経験だが、登ったことがない。幹事も鋸尾根の登りは経験がなかったので、今回、12月8日の直前下見で初めて登ったものだ。しかし、2016年、2017年によくぞ企画したものだと、今にして感心している。

 

 さて、もともとの企画は、奥多摩病院裏から江戸小屋尾根に取り付き、そこから九竜山~江戸小屋山と江戸小屋尾根を縦走して鞘口(さいぐち)山に至り、鋸山に達し、天地山分岐から天地山を経て奥多摩駅に下る計画だった。山慣れした方々ならば、垂涎の計画ではないだろうか。今年の3月20日に下々見として一人で歩いた。淡々と縦走したのだ。ゴールはいつもの奥多摩駅前の「卵道」だ。そして、11月27日にスタッフ2名で同じコースで歩いた。歩いてみた結果、江戸小屋尾根の急傾斜の登りがきつく足にこたえるのと、奥多摩駅の到着時間が16時を越えそうなのが気になった。まあ、下見時の幹事の体調が悪かったのも大きな理由の一つなのかも知れない。スタッフと相談して、コースの難度を下げる、歩行時間を短縮する、ことを目標に江戸小屋尾根の登りを鋸尾根に変更した。土壇場の変更だった。参加者のみなさんには深くお詫び申し上げるが、無事に鋸尾根~鋸山~天地山の縦走を終わった結果としては、的確な判断だったと考えている。

  愛宕神社の188段の階段

    (菊地さん)

  背中シリーズではない一枚

     (川原さん)

 12月1日の「石割山と石割の湯」は、前日の夜まで天気予報はずっと「晴れ」の予報だった。しかし、朝起きると曇っていて、富士急線に乗っても曇りで晴れ間が少し見えた。「晴れそうですね」と期待させたが、結局、終日曇りでそれどころか山中、風花が舞う始末だった。今回は、予報がずっと曇りだった。「これ以上悪くはならないね」といいながら、愛宕公園に行くと、何と晴れ間が広がって来た。しかも予想外に温かいのだ。服装調整してからいざ、出発。(右上に)

 

 

   帽子が格好いいですね。

     (川原さん)

愛宕神社といえば、境内にスギの巨木が3本ある。そして、188段の階段だ。いつもは下るのである。今回は登った。前後の階段を含めると300段弱はあるのじゃないか。この階段をウォーミングアップに使って淡々と登った。登り切ったところに五重塔がある。その上に「奥社」があるのだ。奥社から少し下ると車道があって、右に行けば青梅街道に出る。真ん中を歩き、登山口から鋸尾根に取り付く。基本的に最初は緩い階段の道なのだ。(左下へ)


  徐々に徐々に高度を上げていき、前方に開けた斜面が見えて、上空に送電線が見える場所に出る。左側には御岳山方面の眺めが広がっている。さらに歩き、少々岩っぽい箇所を登ると、「天聖神社」がある。石仏が2基と空の箱が一個ある。多分、小社がなくなったのだろう。この付近から「鋸」らしい尾根となる。稜線は岩に覆われて、階段はほぼなくなり、手は岩をつかむのだ。右手には御前山が圧倒し、その前に江戸小屋尾根が見えている。鉄梯子を過ぎると、分岐がある。右に行けば「鎖場」だ。幹事を含めて、下ってきた場合、鎖場を選択される方は少ないらしい。今回は、迷う方もなく全員鎖場に向かった。この鎖場は、上にスギの大木があり、その根が下まで長く伸びているのだ。岩の足掛かりを根が邪魔している。そばに鎖が下がっている。高さ5mほどで大した鎖場ではない。しかし、13人だが、予定より時間がかかった。岩場は通過に時間がかかる。みなさんは大満足。

 何と青空が広がっている天地山

      (有田さん)

このような岩場が鋸尾根の由来か。

      (小野)

鎖場を過ぎると難しい場所はない。前方には、天地山分岐が聳えている。この辺りが鋸尾根の登りで疲れる場所だろう。少し縦隊がばらけていた。やっと天地山分岐に着き、予定時間を過ぎていて、11時30分だったので、早めの昼食タイムとした。15分の予定だったが、「寒いので早く出ましょう」という方が多く、ザックを置いて、鋸山に向かった。大ダワへ下る分岐まで少し下り、少し登って鋸山の山頂だ。往復で15分と読んでいた。

(右上に)

  鎖場に向けて急斜面を下る

 

この日の鋸山の山頂は誰もいなかった。ここの山頂に誰もいないというのは珍しことだ。集合写真を撮るとみなさん、お元気な顔で写っていた。鋸山の登りは足にこたえてないようだった。

 

 天地山分岐に戻り、ここから2班に分けた。スタッフ班が7名、幹事班は4名とし、スタッフ班が先行とした。実は、3月20日に縦走したときは、目印の「白いテープ」はなかった。(左下に)


 しかし、11月27日に下見を行ったら、江戸小屋尾根の登りから天地山コースまで白いテープだらけだった。特に、迷いそうな箇所には至る所に白いテープがあった。いささかやり過ぎの感があった。最初は枯れ葉をかき分けて下る。結構急で下が見えない箇所があるので用心して下った。右に左に立ち木につかまりながら下るのは結構面白い。最初は樹木に隠れて見えなかった天地山が徐々に姿を現す。天地山の直前まで下ると平たい場所があり、天地山が目の前に聳え立ち、いよいよ天地山の岩場の始まりだ。

 

 まず、前方の急斜面を登り、尾根っぽい箇所の岩場に取り付く。白いテープがあるのだが、この付近はたとえなくても迷わない。少し進むと、右に行くか左に行くか迷う箇所がある。右に行けそうであり、左にはルートが一見、見えないのだ。幹事も3月20日には散々、考えたのだ。以来、目印が増えて迷わない。12月8日にも自分用に赤テープを巻いておいた。すぐに左に行き、ロープを頼って下り、岩場を登る。危険な箇所はない。ここを登り切り、少し上がって右に回り込んで上に上がると山頂だ。ここまで来ると全員、山頂で満足感に浸った。前方には、三ツドッケが見えている。

 いよいよ鎖場、一瞬緊張する。

    (有田さん)

これが噂の鎖場だが、あっけない

      (小野)

 12時40分に天地山に着いて、再度昼食休憩を取って12時55分に出た。ここから林道まで約50分の予定だ。出てすぐに15分ばかりかなり急こう配の枯れ葉の海を泳がなければならない。上の方から下に流れていくみなさんを見ながら下った。幹事は毎度、先頭を歩いているので、滅多に後ろからみなさんを眺める機会がない。急な下りを終わると前で小野班長が上を向いて写真を撮っている。(右上に)

  最近撮られますね(菊地さん)

 

途中でスマホを地面に置いて、下って来るみなさんを撮っておられる方もいた。

 

 転倒者もなく、林道には予定より時間がかかったが、時刻は14時20分。ここから急いでも、奥多摩駅で14時38分発の電車には間に合わないので、直帰組は白丸駅に急ぐことにした。寄り道組は、幹事、スタッフを含めて6人となった。途中で、「卵道」に電話を入れて到着予定時刻を伝えた。(左下に)


 14時15分~30分の到着予定だったが、14時40分頃になりそうだった。みなさん、特に疲れた様子もなく14時40分に卵道にゴール。6人で祝杯を上げた。卵道には、今回も下見、直前下見、本番とお世話になった。白丸駅組は無事に予定の電車に間に合ったようだ。

    鋸山の集合写真

12月1日(金)の石割山では、富士急線車内で見えていた青空が、花庵に着いた頃は消え去って風花が舞う寒さでした。11日の天地山の本番では、奥多摩駅に着くと青空が広がり始め、それどころか天気予報より温かかったですね。人生、こういうこともありますね。(右上に)

天地山の核心部(上から)(小野)

今年最後のプラス企画に参加して下さった皆さん、ありがとうございました。この一年、本当に充実したプラス企画を実施することができました。2024年も楽しい、満足感を得ることができる企画を考えます。

 

 

ちょうど天地山の核心部を通過中

     (有田さん)


・参加者:11名(申し込み11名)

・スタッフ:稲葉(幹事)、小野(班長)

・報告:稲葉 力(25年)、写真(稲葉、小野、有田さん)

    天地山の幹事班

  天地山のスタッフ班(小野)

 枯れ葉の中を下るスタッフ班

        (小野)


 鎖場上からの眺め(鈴木さん)

  天地山分岐からの御前山

     (鈴木さん)

  天地山で昼食(鈴木さん)