昨年からの念願だった蕎麦粒山を縦走した。笙ノ岩山までの急な登りはきつかった。埼玉県、東京都の屋根といえるような山々の展望は素晴らしかった。

下って、達成感に浸った。~2022年12月8日(木)~

 

今回登る山は東京都と埼玉県の都境にある蕎麦粒山。川乗橋バス停からの川乗林道が約1年振りに開通したのでやっとこの企画が実現した。川乗林道はわずかしか歩かないのだが何せ通行止めだったのだから仕方がない。蕎麦粒山は都県境の奥多摩からも秩父からも奥深い山だ。更に今回のコースは奥多摩から鳥屋戸尾根を歩く。地図上では破線のバリエーションルートということでこの登山道を歩く人はほとんど居ない。奥多摩駅に参加者全員集合と同時にバスに乗り15分弱で川乗橋バス停で降りる。他にも乗客は数人いたが、川苔山へ向かったようだ。このように大抵の人はここからは川苔山へ行くのだ。


     急な笙ノ岩山の登り             登る、登る            こんな下りもあった

誰も見向きもしないような蕎麦粒山への小さな標識がひっそり立っていてそこからいよいよ蕎麦粒山へ通じる登山道の始まりだ。さて、ここから急登が始まり概ね山頂まで長い長い急登が続くのだ。今回はあらかじめ幹事が何度も急登が続くと参加予定者には連絡してあったため、参加メンバーは心して歩き始める。嬉しいことにこの日は何しろ天気が良い。長く辛い急登が続く行程だが青空の中を歩くだけでも気分は随分救われる。幹事班を先頭にすぐにスタッフ班が後に続く。参加人数も少ないので先頭班も後続班も離れないように歩くという打ち合わせをしてあった。


  笙ノ岩山の集合写真(稲葉班)       笙ノ岩山の集合写真(小野班)       笙ノ岩山、みんなで

最初は暗いスギ、ヒノキの森の中を歩くため眺めもなく、紅葉もないため忍耐強く歩く。休憩しながら登っていくと葉を落としたミズナラやモミジ、またはマツの木々の間からすぐ隣の川苔山、どんどん進むと奥多摩やさらに遠くは丹沢の山並みが見えて、疲れ気味の気分も吹き飛ぶ。もっと標高を上げていくと山頂の一部しか見えなかった真っ白に雪化粧した富士山もど~んと大分大きく見ることが出来る。周りの山並みが見えてきても我々の目的地の蕎麦粒山山頂にはなかなか到着しない。山の標高は1473mと特に高いわけではないのだが、歩かなくてはならない累積標高は1100mを超えるのだ。


   蕎麦粒山集合写真(小野班)       蕎麦粒山集合写真(稲葉班)       最後に登場の稲葉班

それでも参加メンバーは少々喘ぎながら、または涼しい顔をしてそれぞれ頑張り、標高を上げていく。特別な岩場もなく一気に標高を上げることも出来ないため、地道に歩くだけなのだ。今の時期は色鮮やかな可愛い花もなく、紅葉もほぼ終わり大量の落ち葉をかき分けながら歩くだけだ。イタヤカエデ、イロハモミジ、ミズナラなどの葉っぱを、時には大きなホオノキの葉もかき分けながら歩く。藪漕ぎならぬ、落葉漕ぎだ。落葉は落ち葉の下の実際の道がどんな状態かわからないので注意が必要だ。何度かの休憩を挟みながら最初の目標地、笙ノ岩山へ到着だ。ここは少し平坦な場所で大休憩だ。ここで幹事班の記念写真、すぐに後続のスタッフ班も到着したため全員で記念写真。


       岩場もあった          仙元峠の集合写真(小野班)      塩地ノ頭の集合写真(小野班)

暫くしたらなんと下山してくる人が一人。この先は大丈夫かと聞いてきた。珍しい出会いだ。この山は殆ど登る人がいないので珍しいとお互いに思ったのだろう。参加メンバーが振り返るとその方も振り返っていたと言う。気を取り直して、登り続ける。間もなく、塩地ノ頭、更に松岩ノ頭と通過する。こうした目印があると進んだぞという気分になるが、実は先はまだまだ長い。標高差はまだ200mは登らないとならない。あと1時間くらいか?黙々と登り、または少し下って登り返しを繰り返し最後の急登を登り切れば山頂到着だ。直前に富士山を確認し、(山頂からは見えなくなる)幹事班が登り切り到着した。さぁここでお昼だ。すぐにスタッフ班も到着し、幹事班の登頂記念写真撮影。ランチタイムとした。20分の休憩。無風のポカポカした日差しの中で12月の1400mの山の上でもそれほど寒さを感じることもなくゆっくり食事タイムを過ごすことが出来た。スタッフ班の記念写真を撮り、さあ、下山開始。あとはひたすら埼玉県の秩父へ向かって下るのだ。


  上部の北斜面には残雪があった     展望が開けて景色を眺める(小野班)    この崩壊地は迫力があった

 仙元峠を経て仙元尾根を歩き秩父へ下る。この峠は歴史ある峠なのだ。奥多摩や甲州と武州、上州をつなぐ唯一の峠だった。歴史や昔の人がどんな思いでこの峠を通ったのか思いを馳せながら下り始めた。下りも1100m強の標高差を下らなければならない。下りと聞くと楽そうだが、この長い下りは登りで疲れた脚(肉体)を苦しめる。参加メンバーの中には脚の不調に苦しみながらそれでも黙って歩く方もいた。スタッフが付き添うが自力できちんと下っている。幹事が先頭で後ろを確認するが最後尾までちゃんと見える位置に続いて歩いている。この下り始めが北斜面でなんと雪が残り白く薄い雪化粧した斜面になっていた。あらかじめ参加者には万一のため軽アイゼンを必携と連絡してあったが、幸い使うような凍っている箇所はなかったが12月の山というのは甘く見てはいけないのだ。下りもまた深い落ち葉をかき分けて歩かなければならなかった。急坂を下り、または登り返しもあり、それを繰り返しながら休憩をところどころ挟み浦山大日堂へ到着だ。予定の時間よりも少し遅れたが全員無事に下山した。予約してあったタクシーに乗り西武秩父駅で解散とした。日没が早い12月だが明るいうちに駅に到着してホッとした。

 

 

 ご参加頂いたみなさんに心から感謝申し上げます。本当にお疲れ様でした。

 

・参加者:11名(申し込み12名、キャンセル1名)

・スタッフ:小野(幹事)、稲葉(班長)

・報告:小野(30年)