祈りが通じたか、自粛明けの茅ヶ岳は最初は晴れだった。
結果良ければすべて良し!か。
自宅を出るときはやや雨模様だったが八王子では曇り。韮崎に近づくにつれて天気が良くなった。韮崎駅では8時半の段階では晴れていた。タクシー乗り場で三共タクシーを探したがいない。トイレの前にジャンボ他が待っていた。8:37にあずさに乗った参加者が到着した。資料を渡し、タクシーに乗っていただいた。みなさん、車中でトイレは済ませていただいた方が多かったようだ。8:40過ぎに出て9時頃に到着、トイレを済ませて開校式を簡単に済ませた。
9:10ちょうどに稲葉班が出発。ウツギ、イボタノキなどを観察しながら歩いた。気温も湿度も高く、スタートしてすぐに汗をかき始めた。30分後に最初の休憩。小野班はいつもよりゆっくり歩いたようだ。最初の休憩では合流できなかったが、小野班には稲葉班の声が聞こえていたようだ。徐々に標高を上げていく。ムラサキシキブのつぼみがあって、説明すると、「花が上向きに咲くんですね」と言う方がいた。みなさん徐々に詳しくなる。また30分歩いて「女岩まであと50m」地点に着き休憩した。
茅ヶ岳の集合写真 山頂近くのこんな面白いトンネル
みなさん右上の登りを見て「どこを歩くんですか」という。岩場の歩きに近いイメージか。ここで後続が来ないので、次に休憩する稜線で後続を待つことを決めた。ここからの登りは面白い。半分岩場のコースを岩を拾いながら歩き、巨大な女岩を高巻くイメージで登るので高度感もある。この岩場を通過して少し歩き、稜線方面が見え始めた頃、休憩することにした。小野班長からスマホに電話があった。「呼吸が少し苦しいと言う方がいます。」という。体調の悪い方はその場に待機、班長は全員を連れて稜線まで向かって下さいと伝えた。稜線で協議して、小野班長は深沢公園でタクシーを読んで韮崎駅に戻っていただく。タイミングが会えば、小野班長はみずがき山荘に向かう山岳バスに乗ってもらいクララの湯に向かうと決めた。
稜線まではほぼ予定時間通りだが、後続の班を待つ関係で10分ほど遅れることとなった。少し下まで小野班を迎えに行き、稜線で協議。小野班長はすぐに下っていった。われわれもすぐに出発した。稜線から岩場が続き山頂まで30分程度かかるイメージがあったが、20分ほどで山頂に到着。この登りは、もう10日も早ければサラサドウダンが見られた。下見ではおびただしいサラサドウダンの花が山道に落ちていた。山頂に着くと周囲はガスが出て下界も南アルプスも見えなくなった。これは雨かと全員ザックカバーを着けた。雨具の上着を着た方もいる。お約束の集合写真を撮ろうとするとちょうど一人登って来たので全員で撮ることができた。
女岩を越えて登る、登る、登る
さて、ここから結構急な下りを少し続く。下りでガクンと歩くペースが落ちた。途中から小さなマイヅルソウが見られるがほぼ終わりかけだ。コルまで下り、今度はまた登る。ガッカリする声が聞こえる。みなさん疲れ始めたようだ。ときどき全員の姿を確認してから進む。山頂らしきピークに着くと、そこは金ヶ岳南峰でガッカリ。観音峠に向かう朽ちた怪しい標識がある。左側に稜線を巻きながら進むと金ヶ岳に着いた。金ヶ岳に着くと、少し遅れた方がいた。迎えに行き聞くと足がつったという。一度もそういう経験のない方で非常に驚いた。降圧剤は飲んでいないというので68番を飲んでいただいた。
下見のときからあるサラシナショウマのような花はどうやらイブキトラノオのようだ。金ヶ岳山頂からは15分ほど急な岩場が続くので自信のない方、足をつった方に幹事の後ろについていただいた。この頃から山頂付近はガスがかかったのだが、下界方面は良く見える状態となった。後続の3人の方の様子を見ながら下った。その後方の方々にもこの15分間はとにかく足下に注意するように伝えた。この下りの稜線の岩場は、転落の危険性があるわけではなく、しかも比較的周囲の高度感もあって実は下って面白い。しかも高度もかせげる。岩場が終わったあたりにグンナイフウロらしき花がある。後で聞くとみなさんどうやら見つけたらしい。
金ヶ岳南峰に登る途中からの茅ヶ岳 金ヶ岳を下る岩場の途中から茅ヶ岳
岩場を過ぎて25分ほど歩いて休憩することにした。全員集まるのを待った。ここからは歩きやすい下りだが、みなさん、自粛生活もあって体力が低下されたのか一気に疲れが出たようだ。幹事としては15:14のバス時間を気にしすぎた反省がある。14:19に林道に到着、ここから少し歩くと明野(あけの)の車道に出る。そこからさらに歩いて50分程度でクララの湯だ。5分も待つと後続が全員着くと思ったら、非常にばらけて12分ほど待つことになり、途中まで後続を迎えに行った。少し林道を歩いて、明野の車道に着いた。前方に韮崎の街が見える。15:14のバスに乗って韮崎駅に先に行きたい方に、前方に歩いていただくことにして、再度後続を迎えに行った。
それから、先に早足で歩いて行った方々4人を追いかけて行き、追いついてクララの湯へ向かう道の説明をした。そこでふと前を見ると山岳バスのバス停標識があった。なんと初めて知った次第だ。15:10発とある。クララの湯だと15:14発なのだ。時計を見ると15時ちょうど頃だ。遅れて歩いている方々を呼びに戻り、叱咤激励してどうやら、残り全員15:10までにバス停に集まっていただいた。みなさん疲労困憊の体だった。クララの湯で先に行った方々と合流。ある方はそのまま駅へ、ある方は温泉に入ることになった。そこには何と、女岩手前で引き返した方と小野班長がいてみなさんを迎えて下さった。これで15名全員が集まった。
イブキトラノオか? グンナイフウロかな?
韮崎駅に行く方々を見送って、われわれも温泉に入った。南アルプスの展望を楽しみながら温泉につかり、あがってロビーでビールを飲んだ。意外とみなさん疲れた顔をされていなかったのが幸いだった。結果的に予定通りに行動できたことになる。
さて、おまけの話がある。幹事はここでタクシー料金を集めるために自分の山用の財布を出していたのだが、それをソファの上に忘れたのだ。バスの中で気がついた。駅に着いたらカンビールを買おうとして財布を探したのだがなかったのだ。以前から忘れたときのために山用の財布には大事なものは入れず、お金も大金は入れないようにしているので、とりあえず、問題はなかった。しかし気落ちする事件ではあった。しかしだ、自宅に着いた頃を見計らって、何とクララの湯の支配人から電話があったのだ。財布の件だった。着払いの宅配便で送って下さるという。大変丁重にお礼を述べて電話を切った。みなさんにこうして伝えて感謝する次第だ。 (報告:稲葉 力)
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