沢はどうやら全員無事に通過、百軒茶屋への下りは意外に転倒あり、
河又コースも木の根ジャングルに意外と苦戦だったが、それもまた楽しかった。
~2024年8月8日(木)棒ノ折山~
7月末から8月末までは暑すぎるので、高い山にでも行かない限り、ハイキングの場所の選定に困る。沢歩きをしようにも、沢装備なしで歩ける沢は限られている。沢シューズも履かず、ヘルメットもつけずに歩ける沢は、首都圏では棒ノ折山の白谷沢(しらやさわ)程度しかないのだ。そんな事情で幹事は、毎年、一度は白谷沢に行っている。そうして考えて見ると、尾根筋の滝の平尾根は長年歩いてなく、さわらびの湯にもずっと入っていないことに気がついた。。
8月8日の「棒ノ折山」は昨年から決めていた。そして、最近の定番は東京都側の百軒茶屋に下ってから「古民家料理 ちわき」に寄ることだ。しかし、このコースの難点は、白谷沢を過ぎて岩茸石(いわたけいし)から権次入(ゴンジリ)峠に至る急な、しかも荒れた山道のわずか25分の登りが苦しいことだ。「ちわき」で楽しむためにはこの苦しい25分間が待っている。そこで、今年は、岩茸石から滝の平尾根を下って「さわらびの湯」に戻るコースを設定した。こちらが軽いコースである。さて、どうなったか。
山頂到達の先頭班(ごくろうさま)
下る途中のイワタバコ(鈴木さん)
歩き始めのハグロソウ(鈴木さん)
「ちわき」に14時半には入って「小中茶屋バス停」15時33分発のバスに乗るには14時15分頃に百軒茶屋に下山する必要がある。となると山笑(やまにこ)メンバーの実力から10時頃には白谷橋をスタートする必要があるのだ。逆算すると飯能駅8時41分発「ノーラ名栗」行きに乗ることになる。この計算で行くと、滝の平尾根を下るグループは、13時10分頃に河又名栗湖バス停近くに下山できるだろう。しかし、8月1日にスタッフ2名で下見を実施し、「ちわき」に寄ったら、何と「ちわき」は8月8日は臨時休業で、仕方がないので、代わって百軒茶屋キャンプ場の管理棟で休憩することとした。
結局、本番は参加者13名、スタッフ3名で実施することとなった。百軒茶屋コースに6名、班長一人、滝の平尾根コースに7名、班長2人とした。8時41分発のバスはわれわれでほぼ満席となった。このバスは東飯能に寄り、幹事の場合は東飯能の方が格段に都合が良いのだが、飯能で「ほぼ満席」になることが多いのだ。それで飯能集合としている。前夜、埼玉地方には雷雨があり、沢の増水が心配されたが、8月1日の下見の前夜にも同様の雷雨があり、増水は全くなかった。沢が短いのでよほどの豪雨でない限り増水しないようだ。逆に5月に行ったことがあるが、涸れ沢状態のこともあった。2019年の台風の後は、大増水で沢歩きに難儀したこともあった。
沢よりもこちらの山道の方が難易度が高い
イワタバコを見ている先頭班(鈴木さん)
アプローチの核心部を行く先頭班
「もうすぐノーラ名栗だね」とか喋っていると、何とバスがバス停を通過するではないか。誰も降車ボタンを押してなかったのだ。スタートからとんだ笑い話だった。「やませみ」前のトイレに寄っていただき、予定通り9時40分に歩きだした。ハグロソウを観察したり、アカメガシワの雄花を見たり、参加者のお一人が夏に北横岳に行って来る話などを聞きながら、10時に「白谷橋」に到着した。ここから入渓地点までは約20分なのだが、徐々に高度を上げて行き、徐々に岩場が増えて来る。沢の練習というより、実はこのアプローチの方が岩場としては難度が高い。岩場を通過しながら、普段あまりご一緒しない方の歩き方を観察させていただいた。山笑(やまにこ)の常連さんは、すでに何十回もご一緒しているので、体力、技術力は把握できている。このアプローチは予想外に時間がかかった。白谷橋から沢を抜ける林道合流点までは1時間15分見込んでいた。
さて、入渓したら、ずっと沢の中を歩くわけではない。沢歩きらしい沢歩きはものの10分ほどで、20分ほどは沢の脇を歩く。入渓地点には滝があり、多分、この滝が「藤懸の滝」だろうと思う。ここで小休止を取って、わが班は沢歩きの隊列にシフトにした。沢の経験が浅い方は幹事の後か岸本班長の前を歩くことにした。少し歩くと、小さな滝があり、道はその滝の右側の岩場と岩壁をへつるのだ。このへつりは「岩がすべりそう」と思う方は難儀する。実はすべらないのだ。上に上がって岩伝いに対岸に渡るとOKだ。何とか手助けなしで全員、突破できた。またしばらく飛び石伝いに対岸渡りを繰り返す。不得意な方も徐々に慣れてきたようだった。
イワタバコ(菊地さん)
ゴルジュの入口の先頭班(菊地さん)
水量が多いと岩をへつるのも岩を渡るのも苦戦するが、今日は水量が少ない、・・(鈴木さん)
いよいよ本日のハイライトだ。目の前に巨大なゴルジュが登場した。両側と前方に岩壁がある。その間の河床を飛び石伝いに進み、次第に岩が大きくなり、目の前の滝を右によけると鎖付きの岩の急な階段が待っている。ここを5mほど登ると絶景のゴルジュが下に拝めるのだ。そこから今度はロープで岩壁を登るが足場が何とも頼りない。上に上がると今度は鎖付きの斜めの岩場を登る。それでやっと「白孔雀の滝」の標識に出る。これで核心部は終わりだ。小休止するが少し遅れる方が出てきた。頑張って林道合流点まで行き、軽食タイムとした。ここから5分ほど急斜面が待っている。ちょっと前まで、前方に姿が見えていた、先頭班はすでにいなかった。予定の20程度の遅れだが、その程度の余裕タイムは見ている。
15分ばかり気楽な山道を歩き、岩茸石(岩茸石)到着。この尾根は「滝の平尾根」という。白谷沢を下るより、この尾根が初心者向けということになっている。緑の多い山道は確かに白谷沢を下るよりは安全度が高い。しかし、その先は木の根だらけの足元ジャングルジム状態の山道となる。安全度の高いルートを見つけるのが熟練の技で技術の差が出る道だ。先頭班はすでに山頂だなと思いながらわが班は下った。途中、木の根に足を取られて転倒する方が出て、スタッフ二人で処置するなど時間を取られたこともあって、名栗川橋そばのバス停まで時間がかかり、13時50分発のバスにギリギリで間に合った。スタッフとさわらびの湯に入られた方々は14時50分発のバスに乗った。どうやら予定のバスに乗ることができた。
水量の少ないゴルジュを過ぎると鎖付きの岩場を登る(階段)、そしてロープの岩場が待っている。
ゴルジュを歩く先頭班
この鎖が終わったら核心部は終了(先頭班)
(以下の報告は、百軒茶屋班の小野班長)
林道のベンチで休んでいると後続の幹事班がやってきたので百軒茶屋コースのスタッフ班は出発することにした。ここからが少し急登も出てくるので岩茸石まで頑張ろうと歩き出す。歩きやすい登山道もあるが岩っぽい場所もあるのでゆっくり6名の参加者が離れないように歩く。少し遅れている方が居ても要所要所で休憩し集合してから歩く。そうしていると岩茸石に到着だ。ほぼ予定通りの時間でここでは後続班=幹事班と顔を合わせる予定なので、幹事班が到着するまで待つことにしたが、がなかなかやってこない。先ほどまで後続班の声が聞こえたと思っていたが到着しない。スタッフが「ヤッホー!」と何度か呼びかけたが返事が返ってこず、参加メンバーと耳を澄ませて返事を待つが聞こえた気もするのだが、返事無。ということで出発予定時間なので、それじゃと出発することにする。この岩茸石の分岐は風が通って休むのにも快適だった。
ここから権次入峠(ごんじりとうげ)までがまた少し厄介な急登がある。再び休み休みゆっくりと歩く。赤土とえぐれた木段がハードルのようになっているためそれを避けてルートを左へ左へとルートを取って歩く。参加メンバーにはそう伝えたので少し遅れても道を間違えることはなく歩く。そうしているとひょっこり権次入峠に到着だ。ここも風が通って休むには快適だ。そして次の目標地が山頂だ。ここからは短い距離だがまたそこそこの急登もあるのでゆっくりペースで歩く。無駄な労力を使わないようにみなさん黙々と歩く。丁度花の入れ替わる季節で、カシワバハグマが花茎を伸ばしていた。山頂到着も予定通りだった。スタッフ班班長は最後尾を歩いてくる方を途中で待ち、一緒に山頂へ到着した。
この写真の高度感はすごい、どこだか覚えてますか(先頭班)
急斜面を下る先頭班(手元がぶれている)
無事、百軒茶屋に到着の先頭班(ここがゴール)予定時間通りだった
昼食を取り、お決まりの記念撮影をして下山だ。みなさん元気で良い笑顔での写真が撮れた。県境にある棒ノ折嶺から東京都側へ下るのだが、こちら側は急坂下りなのだが、綺麗に整備され木段が付けられて以前に比べてとても下りやすくなった。一気にくだり、ワサビ田の脇を通ってちょっとした渡渉をするともうそこは奥茶屋だ。そして林道の舗装路を歩き、百軒茶屋で一休みとなった。川井駅へバスに乗るのだが、バスの時間まで少し時間がある。茶屋で休みバス停にある綺麗なトイレで其々着替えをしたり帰る準備を整えてバス乗車、川井駅で解散となった。
思うように参加者が集まらず苦戦しました。土壇場で2名の方が申し込んで下さり助かりました。ありがとうございました。幹事は沢歩きに慣れていない方のために、十分な事前準備をしていましたが、想定外の場所で転倒が発生しました。スタッフ2人で何とか負傷対応もできましたが、幹事として大いに反省しております。今後に生かします。参加者のみなさん、ご協力、ありがとうございました。百軒茶屋に下ったみなさんは、「ちわき」に寄れずにごめんなさい。次の機会に行きましょう。最後に、参加者のみなさんにもう一度お礼を申し上げます。
・参加者:13名(申し込み15名、キャンセル2名)
・スタッフ:稲葉(幹事)、小野(班長)、岸本(班長)
・報告:稲葉力(25年)、小野梨香(30年):写真(稲葉、小野、岸本、鈴木さん、菊地さん)
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