予報が変わった9月7日は予想外の好天に恵まれた。標高1,600mを越える山頂に  

      砂浜か雪原かと思わせる光景が広がっていた。

               ~2023年9月7日(木)~

 

 9月7日の企画は日向山ハイキングだ。一週間前の下見後からずっと天気予報から目が離せない日々だった。予報の悪さに中止と心に決めたが諦めきれず、更に、夜遅くまで天気予報に注視していたら晴れマークに変わっているではないか!目的地は関東とは違う甲信越地域であることも注意点の一つだ。


   日向山雁ヶ原での集合写真           小野班、日向山山頂      雁ヶ原で(鈴木さんご提供)

そして開催を決め、7日の当日の朝、無人駅の長坂駅に参加者全員が集合した。受付を済ませて、早速、タクシーに分乗し尾白川渓谷の駐車場に到着した。出発準備や開会式を済ませて尾白川渓谷の駐車場を出発した。今回の「やまにこハイク」は3班で歩くが同じくらいの速度で歩く予定でいた。幹事班が先頭、スタッフ班2班が続いた。日向山へ行く登山道は標高770mの尾白川渓谷駐車場からでも行けるが、1000mを少し超えた矢立石登山口という場所まで車で行くことが出来る。そこまで尾白川の登山口から登って行くと約50分は掛かり、急登ではないが若干傾斜がキツいのだ。

 

 各班とも矢立石登山口まで黙々と登って行った。ところが、先頭の1班の幹事が気付いた時はすぐ後ろを歩いていた2班のスタッフ班がいつの間にか3班のスタッフ班になっていた。2班に少し遅れた方がいたようで更にゆっくり歩いたようだった。暫くして休憩の時に2班のスタッフから遅れた方がいる旨、時間も遅れると連絡を受けた。


   ここの左側が甲斐駒だ            この後は八ヶ岳だ           ここは山か海か

この登山道には石作りの炭焼き窯がいくつか残っている。この山は江戸時代から人が入った里山だったようだとみなさんにご紹介し、そうした古(いにしえ)に思いを馳せながら先を進んで登っていく。すると右に左にヤマジノホトトギスの花が現れた。つぼみの状態や、花被片が平開し、花糸に斑点がないことを確認した。参加メンバーはイカのように見えるなどと其々面白い感想を和気藹々楽しそうに話していた。3班のスタッフ班のメンバーも少し後ろでヤマジノホトトギスに見入っていた。暫くすると下見ではまだ咲いていなかったトリカブトが紫色の綺麗な色で咲いていた。登山者は良く知っている花だが自然界の色というのは綺麗だと改めて思う。

 

 矢立石登山口から概ね1時間30分で山頂へ到着予定なのだが、登山道は溝を掘ったように狭く、また段差の激しい箇所があり脚の疲れに拍車をかける。それがやっと終わると尾根に出て右手に進めば展望がほとんどない三角点のある山頂へすぐだ。ここで記念写真を撮った。手作りのような可愛らしい山頂標示板があるのだ。尾根を戻って道なりに歩くと今度は山上のビーチ、「雁ケ原」(がんがわら)と呼ばれる山頂へ飛び出る。幹事は「さぁ、水着に着かえてください!」と班のメンバーに声を掛けてそちらへ歩いた。そこへ出ると、右手に八ケ岳、左手に甲斐駒ヶ岳がどど~んと現れるはずが、この日の午後は両方とも雲の中で非常に残念だった。が、白い砂浜の如きビーチは健在だ。全員がこの山上のビーチに集まったので全員で記念写真を撮った。このビーチを楽しんでもらうため、そして帰りの電車の時間の関係で山笑(やまにこ)会の昼食時間としては長い30分の休憩時間とした。


 暑さの中を黙々と登る。          一体どこを歩いているのか           雁ヶ原(川原さんご提供)

 

花崗岩が風化して小さなちいさな小石状になったこの砂浜のような山上でしばらくみなさんと楽しみ、そして花崗岩地帯に好んで咲く、可愛らしい濃いピンク色のタカネビランジ、薄いピンク色のトモエシオガマ、清楚なハナイカリ等木陰にひっそりと咲いている花々をみなさんと観察した。花が咲いている場所は狭くひしめき合い、その中にコゴメグサも咲いていた。可愛らしいタカネビランジは人気者だ。

 

ビーチは日影がないのでみなさん木陰に入って思い思いの場所でランチを楽しむ。ゆっくり昼食を取っていると風が冷たく肌寒さを感じるほどだ。みなさん同じ思いで爬虫類の動物のごとく日向で身体を温める。

 

 今回はピストンルートを取らざるを得ず(周回ルートは通行止め)、先ほど登ってきた道を戻る。そろそろ下山開始時刻ということで、準備を済ませて1班の幹事班から歩き始める。2班のスタッフが体調を崩された方に付き添い早めに下山してしまったので、2班のメンバーも一緒にそして3班のスタッフ班が続いた。登りにそれなりに段差があったところは同じく下りでも段差が激しいわけで下りは特に慎重に下りて頂く。基本的には整備された道で特別危険なところはないが、それでも下りは脚も疲れてきているので無理はせずにゆっくり下って頂く。今度は脚がつった方がいて3班のスタッフが付きそった。そのため、ほとんど全員と一緒に幹事は下山した。途中に休憩をたびたび入れながら全体が離れすぎないように歩き、朝歩き始めた尾白川渓谷の駐車場に戻った。

   雁ヶ原のタカネビランジ


どうですか、この高度感(高橋貴美子さん) キバナアキギリ(高橋貴美子さん)      

 

  先に下山していたスタッフが待ち構えて迎えてくれた。体調を崩された方も休んで回復されて元気な笑顔で迎えてくれた。暫くすると3班のスタッフと参加者が下山し、その方も何事もなかったかのように歩いていてひと安心だ。駐車場の売店で簡単な食事もできる「おじろ」で参加者と一緒に乾杯をして、楽しいハイキングが無事終了したことを労うことが出来た。

 

予約していたタクシーも時間通りにきてくれて、分乗して長坂駅に向かい、解散とした。参加されたみなさんは笑顔で帰途につくことが出来た。

 

          ご参加くださったみなさん、どうもありがとうございました。

            スタッフ一同深く感謝いたします。

 

 ・参加者:19名(申し込み21名、キャンセル2名)

・スタッフ:小野(幹事)、稲葉(班長)、福山(班長)

・報告:小野梨香(30年)、写真(小野、福山、鈴木さん、柳田さん、高橋貴美子さん、川原さん)

     柳田さんご提供

 ヤマジノホトトギス(鈴木さん)

  山頂のタチコゴメグサ

   (高橋貴美子さん)