慌ただしい年末の浮世を離れ、静かな里山を歩きつつ古の伝えを辿り、

  神坐す頂きから神の目の展望を楽しみ、江戸時代古民家の囲炉裏端で今年の

     「納会」を楽しむハイキング。~2023年12月21日(木)

 

 

快晴・適温・穏風の予報、直前キャンセル無し、古民家との予約段取り諸事万端で臨んだ朝、駅に向かう途中で「東武東上線、人身事故により運転見合わせ」の報あり。集合は、東武竹沢駅。「さぁ、どうする?」 先ず自分の代替え経路確認、そして参加者との連絡開始。

 

常連さん加入の山笑(やまにこ)会グループLINEが大活躍。携帯ショートメール、山笑会HP、書込可能ブログに、現況連絡を依頼。経路が決らない方には代替え経路を伝え、決った方には、東武竹沢/(迂回先)JR竹沢の到着予定時刻を確認。朝かなり早めに出た私以外誰もいないと思っていた迂回先のJR竹沢駅に4名もの方が同時到着で驚く。なんと有り難いことだろう。

 

 

半分程はキャンセルになると覚悟したが、奇跡的に参加予定者全員が無事に予定時刻~20分遅れ程で参集してくださった事を確認でき、思わず両手を突き上げ、「やった~!\(^o^)/バンザ~イ!!」と叫んでしまった。山笑(やまにこ)会参加者の皆さんの驚異のトラブル回避能力に脱帽、感謝感激のスタートとなった。

   アメリカイヌホオズキ

  吉田家の削り花(郡司さん)

     幹事班(鈴木さん)


 里山の道沿い、無数のアメリカイヌホオズキとヒヨドリジョウゴが鈴生り、破れ提灯と化したカラスウリの中からは、大黒様型の種。お財布に入れておけば金運上昇? 笠原諏訪神社では、諏訪からご神体と共に落ち延びこの地に神社を創建した小笠原内膳を偲び、ご祭神・建御名方神(たけみなかたのかみ)に今日の安全を祈願。二十六夜様、庚申様、巳神様*の三石仏に手を合せ、山道に入って直ぐ、急階段上の北向不動尊**にも参拝。

(*諏訪神社の神様は龍神ともされ、小笠原家の人々は、その姿が偲ばれる白蛇や白い鳥を尊ぶという。) 

(**笠原集落を見守る為の北向き。三十六童子は、離散した36戸の小作の化身として奉納された。)

  二十六夜様等の三石仏  

    石尊(郡司さん) 

    北向不動尊下り


 木漏れ日注ぎ、様々な羊歯の葉が揺れる静かな道を上って行くと、山頂手前で急傾斜の岩場・鎖場が見えてくる。岩の上に落ち葉が積もっており、やはり鎖があれば安全だ。上りきった上の分岐で真っ直ぐ進めば山頂近道、左に巻けば、石尊山頂の鳥居を潜り石尊社の正面からの登頂となる。希望を問うと「正面!」の一声あり、左を選択。

石尊山への鎖場   

官ノ倉山山頂でパチリ(鈴木さん)

  石尊山集合写真 1・2班


 石尊山からのパノラマ展望、遠くは苗場山、谷川岳、その手前には赤城山、妙義山、榛名山、間近には比企三山(笠山、堂平山、大霧山)また関東平野の彼方には筑波山、スカイツリーなども。石尊さまとは、相模大山の頂上の磐座である石尊大権現をお祀りしたもので、農家に取り大事な「雨乞いの神さま」でもある。麓の北向不動尊でも雨乞いの神事が行われたと云う。眺めは良かったものの、上りながら暑い暑いと薄着になった身に吹く風が冷たく、早々に隣の官ノ倉山を目指す。 

   官ノ倉山への登り

  官ノ倉山集合写真 1

  官ノ倉山集合写真2


 15分ほどの下り登りで官ノ倉山山頂に到着。下見時にはここで爆音轟くヘリによる救助訓練が行われており、爆風で大きく木が揺れていたが、今日は先程の石尊山での風が嘘のように穏やかな日だまりで軽食タイム。由来がはっきりしている石尊山に比べ、神の倉とも思われる官ノ倉山の名の由来は良く分からないが、下山した里から官ノ倉山山頂はよく拝め、石尊山はその後ろで見えない。その辺りに答えがあるのかもしれない。 

  官ノ倉山集合写真3

  団子も土産も(川原さん)

一人たたずむ天王池(川原さん)


 やがて杉林の向こうに輝き見えて来たのは天王池。池畔には何の説明もない木造のお社。天王池の名からすれば、ご祭神は「牛頭天王」であろうか。対岸の東屋付近、無数の鈴生りとなって揺れる白く小さなスズメウリが人気を集め、その人の気配に錦鯉が集まる。カイツブリは水しぶきを上げ潜水を繰り返し、思わぬ所に浮上しては驚かせてくれる。元天王沼を灌漑用・天王池とする時に運ばれてきた土にまじって来たのか、外来種のオオオナモミが群生していた。ひっつき虫は童心を呼び起こす。

 

 天王池の先左手には、ご神木の杉が聳える三光神社。元は妙見大菩薩(北極星とも北斗七星とも)を祀っていたが、明治の神仏分離以降は、日月星の三光の神を祀ることとなる。三光の中の星神が天御中主神(あめのみなかぬし、北極星)で、妙見信仰の名残を留めているようだ。さぁ、カッポ酒と手打蕎麦が待つ「古民家・吉田家住宅」まで、あと一息。

 

 竹林を背負って見えて来た茅葺き屋根の古民家は、現存する埼玉県最古、国指定重要文化財、江戸時代築の吉田家住宅。「いい里の風景だねぇ、京都の北山にも似ている」との声に頷く。歓迎の囲炉裏の火が熾き、うっすらと煙がたなびいているようだった。坂道を上がると角には小正月飾りの「削り花」となる高く育ったニワトコの木。堂々たる茅葺き屋根の家の重い木戸をあけた途端、江戸時代にタイムスリップしたかのような空間が広がる。

  吉田家の2階(鈴木さん)

  三光神社集合写真 3班

 重要文化財・吉田家住宅外観


 囲炉裏には注文者の名前が書かれ、既に火で温められたカッポ酒が立ち並ぶ…早速盃を交わし乾杯! 串刺しの鶏、団子を思い思いに焼いたり、香り高い味噌だれ蒟蒻田楽をつまんだりする内に、かけ蕎麦、盛り蕎麦、天ぷらも並び出す。心尽くしの枇杷茶の温かさにほっこり。明々とした炎に照らされ、煙の香りに燻され談笑しながら、今年最後の愉快な山笑(やまにこ)会の集いは盛況、稲葉代表の挨拶に来年への希望が弥膨らむ。恥ずかしながら酔いに任せた幹事の「えびすくい」をもってお開きとなった。一緒にエビ跳ねして下さった皆さん、ありがとうございま~す♪ (^0^)ノシ (吉田家内部の写真は一番下にあります。)

 

朝早くからのハプニングにも屈せず、見事に全員参加してくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。また、二つの駅の間を往復し参加者を誘導したり、連絡確認に専心する幹事の代わりに、待機中の参加者の皆さんにお話をしたり大奮闘のスタッフ、納会からサプライズ参加の予定を変更し、朝からサポートに駆けつけてくれたり予定変更にも対応準備をしてくれたりのスタッフ、山笑(やまにこ)会で一丸となって、この日を乗り越えられたこと、大変嬉しく大感謝です。

 

皆さま、来年も山笑(やまにこ)会へのご参加を、スタッフ一同、企画をあたためながら心待ちしております。

 

どうぞ良いお年をお迎え下さい。

 

・参加者:24名(申し込み28名、キャンセル4名)

・スタッフ:(幹事・班長)廣川、(班長)久保雅春、福山

      (特別サポート)稲葉、小野

・報告:廣川妙子、写真(廣川、久保、福山、小野、鈴木さん、川原さん、郡司さん)

 

    囲炉裏のカッポ酒 

   囲炉裏端の皆さん

   女将さんの神話語り