これ以上の晴天は望めないだろう、富士山の雄姿に見とれ、カラマツの美しい黄葉の中を下った。~2023年11月16日、甲州高尾山企画~
これ以上の晴天は望めないだろう、富士山の雄姿に見とれ、カラマツの美しい黄葉の中を下った。~2023年11月16日、甲州高尾山企画~
幹事が山笑会のスタッフになる前は、甲州高尾山にこのような形で、まさか参加者の皆さんを案内するとは思っていなかった。幹事にとって、東京の高尾山は身近な山だ。一方で、数年前に今回の甲州高尾山に登り縁ができた。駅からもアクセスがよいこともあり、より奥深い自然や山岳信仰に触れて静かな山歩きをしたいときに通うもう一つの高尾山になった。
10月30日に同行するスタッフ(稲葉、小野)と一緒に下見を済ませた。その日は快晴で、本番も晴れれば、稜線からの眺めは抜群で、大いに期待が持てた。募集を始めてから申し込みも順調で、直前でキャンセルされる方もなく、本番は22名の参加者で催行することになった。
本番当日は、8時8分の勝沼ぶどう郷着にスタッフ3人で集まった。先行で来られた方が5人いらっしゃり受付を始めた。天気は、快晴で甲府盆地からの眺めは素晴らしかった。冠雪をしたばかりの南アルブスの山々が美しく見え、このまま天気が良ければ、稜線からの眺めは、きっと素晴らしいと確信をした。
棚横手山の集合写真(幹事班) 棚横手山、小野班 棚横手山、稲葉班
8時55分になると、次の電車が到着して、残りの17名の皆さんが下車された。手際よく受付を済まされると到着していた6台のタクシーに分乗した。タクシーを利用して、約15分で林道伝いに大滝不動尊の山門まで登った。標高を一気に稼ぎ、山門のある登山口の標高は約900mある。
各自でお手洗いや体操を済ませ、皆さんは手慣れたものでほぼ時間通りの9時30分に開校式をすることができた。今回は、ゆっくり班を希望された方が半分以上を占めていたので、幹事班(岸本班)は、ほぼコースタイムにして、小野班をややゆっくり班、稲葉班をゆっくり班にした。
幹事班、小野班、稲葉班と続き大滝不動尊の山門をくぐると石段を登った。本堂に辿り着くと祀られている不動明王に、代表して幹事が参拝をした。見渡すと森に覆われた地形が両側から半円状の深い谷になっていて、岩壁に大小の滝が流れており、各御堂が配置されている。天の配剤のような地形から醸し出される幽玄な雰囲気や約140メートルあると言われる雄滝から、令和を生きる現代でも、古の修験道の行場を体感いただけたようだ。
甲州高尾山の幹事班 甲州高尾山の小野班 甲州高尾山の稲葉班
樹林帯の登山道を約20分歩き、林道と合わせると展望台についた。南アルプスがよく見え、皆さんはさっそく山座同定をして楽しんだ。冠雪をしたばかりの甲斐駒ヶ岳と白峰三山が目を引いたようだ。体が温まり各自で体温調節をした後、後続の小野班が追いつき、入れ替えで幹事班が出発をした。
薄暗い樹林帯を林道沿いに歩き、途中から登山道に入り約20分登っていくと、突然視界が明るくなった。青空が広がり、目の前の登山道と合わせススキが広がる。稜線に出たのだ。休憩をとり、小野班が追いつくと、幹事班は棚横手山に向けて頂上に登り始めた。
徐々に高度を上げつつ振り返ると、背後には、山々の絶景パノラマが展開された。広大な甲府盆地の向かい側には南アルプスの稜線、南には富士山が際立つが、その周囲の山々が、幾つもの層になり、その重厚感を楽しんだ。
大滝不動尊の幹事班(鈴木さん) 甲州高尾山の休憩(川原さん) 宮宕山から北岳方面(鈴木さん)
ここで活躍したのは、稲葉代表力作の山岳展望図だ。皆さんは詳細に記載された山頂名を活用して山座同定され楽しまれた。その中には、リピーターの皆さんが山笑会で踏破した思い出の山々もあり、回想を楽しまれていたようだ。
予定よりも10分以上も早く11時前までに棚横手山(1306m)の山頂に着いた。頂上には、黒い葉と赤い葉が混ざったアートのようなオトコヨウゾメや枯れても美しいナカバノコウヤボウキを鑑賞した。小野班が山頂に着き交互に記念撮影を済ませると、稲葉班が登ってくる。どちらもゆっくり班なのに15分以上早い。(笑)
下りに入ると、自然と目の前に絶景のパノラマが視界に入ってくる。開けた場で立ち止まって山座同定を楽しんだ。足元には、ひっそりと上品に咲く紫色のリンドウ、赤い色鮮やかなヌルデ、白いリュウノウギク、黄色のヤクシソウが咲いていて、皆さんを和ませたようだ。
勝沼ぶどう郷駅でいっぱい
(川原さん)
薮がやや深くなるところをかき分けながら歩き、大人の背丈くらいのマツやヒノキやミズナラなどの幼樹が生えている混交林の稜線を下って行き、あるところで登り返すと甲州高尾山の東峰(1120m)に着いた。ほぼ全方位が開けているので絶景を楽しみながら昼食タイムにした。
(右上へ)
ここで小野班と稲葉班が追いついたので記念撮影をした。
12時35分に出発すると、少し下り登り返すと西峰(1106m)だ。木々に囲まれて目立たないが、こちらが甲州高尾山の本峰だ。しばらく下ると、嶮ケ峰という名前に似つかわしくない平坦な山頂である宮宕山を通過した。 (左下へ)
オケラの造形美(有田さん)
ここからは、ひたすら下りが続く。かつて山火事で焼けた山の斜面に植林されたカラマツなどの針葉樹の樹林帯を横目に見ながら下った。急降下のつづら折りの登山道、平坦なコナラなどの雑木林の快適な登山道を繰り返しながら降っていくと約1時間弱で稜線の先端に辿り着いた。鉄塔がたっている平坦な場には、山頂標識があり、740m、柏尾山と手書きで書かれていた。ここまで、一気に甲州高尾山の山頂から約400m下ってきたことになる。
今日は撮られる側と草紅葉
15分程予定より早い到着で13時35分だ。ここで、小野班と稲葉班と合流して、勝沼ぶどう郷駅から直行されたい方と天空の湯に立ち寄りたい方の人数を確認した。幹事は、各タクシー会社に大善寺の駐車場へ配車を依頼した。(右上へ)
富士山とミズナラ(有田さん)
柏尾山を出ると、最後のつづら折りをさらに約200m以上下っていくと害獣の侵入を防ぐために設置された鉄製の防止柵の扉を通った。(左下へ)
オトコヨウゾメの紅葉
暫くすると五所大神社にある樹齢約400年のシラベ(白檜)の切株を過ぎ、さらに草つきのつづら折りに下りていくと、国道に飛び出し道沿いを少しいくと大善寺の駐車場前にたどり着いた。手配をした6台のタクシーとドライバーさん達が、今か今かと待機していた。
下山をされた皆さんは、順番に勝沼ぶどう郷駅へ直行される方、天空の湯に立ち寄られる方に分かれて乗車した。満車になり次第、目的地へ出発をした。幹事は、22人全員が下山されタクシーで出発したのを見届けてから、稲葉代表と最後のタクシーに乗車し、天空の湯に向かった。ふと車窓の外を見ると雲が多くなっていた。今夜から雨が降るという予報だった。山行の間、晴天が保ってくれてありがたく思った。
・参加者:22名(申し込み23名、キャンセル1名)
・スタッフ:岸本(幹事)、稲葉(班長)、小野(班長)
・報告:岸本雷太(平成30年)、写真(岸本、稲葉、小野、有田さん、鈴木さん、川原さん)
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