今年の伊豆シリーズは、伊豆兄弟四男の長九郎山だ。無事に往復した後、

25日は民宿でまったり過ごし、26日は松崎の観光を楽しんだ。

駿河湾越しの富士山に感嘆、海と伊豆大島を眺めて帰宅した。

~2024年1月25日~26日(木、金)~

 

伊豆半島には四兄弟の山がある。長男の達磨山、次男三男である天城山の万二郎岳、万三郎岳、そして四男の長九郎山だ。今回はこの四男の長九郎山を登る一泊の企画だ。

 

 集合場所は修善寺駅。定刻に全員集合し準備を整え、910に予約していたタクシーで登山口のある松崎へ向けて出発した。松崎までの道のりに土肥温泉があるのだが、土肥桜という早咲きの濃いピンク色の桜が咲き「桜まつり」を開催していた。タクシーの車窓からお花見気分を味わうことが出来た。登山口は松崎町の曹洞宗富貴野山宝蔵院というお寺だ。この松崎町と西伊豆の境界にある富貴野山の標高は550m、ここから長九郎山(995m)への登山が始まる。

 

当初は宝蔵院から登り、大沢温泉へ下って野趣あふれる立ち寄り湯に入る予定だったが、スタッフで下見の結果登山道が荒れていて団体で通るのは避けようとスタッフで話し合い宝蔵院からのピストンとした。808年に空海により建てられた歴史あるお寺で、約600年前に曹洞宗に改宗されたようだ。苔むした長い歴史を感じる小さなお地蔵さんがたくさん並んだ参道を通りいよいよスタートだ。


    出発点の宝蔵院で        来ました、長九郎山!  これは長九郎山の展望台の上、けっこう怖い

 

スタートからしばらくは大した傾斜も無い登山道を歩く。約400m登ることになるのだが、なかなか標高が上がらないねぇなどの声が聞こえてくる。天気は良いのだが、気温は低い。吐く息が白い。日影、更に人工林の登山道は薄暗くて寒さを感じるが風を斜面が遮っているところは救いだ。

 

暫くすると、イズセンリョウが白い実を付けているのが現れ、参加メンバーで珍しいと観察。暖地に自生するため高尾や奥多摩では出会わない。似たような登山道をひたすら進むと今度は小さなアマギカンアオイが足元に現れ、葉の陰に小さな地味な花を付けているではないか・・・これもこの地ならではのカンアオイでしゃがんで覗き込んで観察だ。冬はあまり目を引くようなものがない中、興味深いものがあって良かった。そして赤い実をつけているミヤマシキミがあった。赤いものがあるだけでも華やぐ。

   民宿の前で女将さんと

 天城山同様に長九郎山もアマギシャクナゲが有名な山で5月は登山客も多いようだが、この日は一人歩きの女性に出会っただけだった。その後傾斜もきつくなり、山を登っているという実感を味わいながらもせっかく登ったのに下るの~?という具合に下りが続き、山を登ってい

    アロエ(葛西さん)

 オニシバリの雄花(葛西さん)


るという実感を味わいながらもせっかく登ったのに下るの~?という具合に下りが続き、その後「出合」に到着。ここが時間的にも丁度昼食の時間となる。場所は大沢温泉へのルートとの合流点だ。風があるので丁度鞍部で良いかと思ったがまったく風が遮られるほどの鞍部でもなかった。

 

それでも尾根よりは大分良いのではないだろうか・・・。寒さもあり昼食を食べ終わると準備を済ませて頂上を目指す。ここからいよいよ本格的に登りが続く。斜面に日の光が遮られた場所は少し寒いが風がないだけホッとする。だが、西側は駿河湾を渡って吹く風が冷たく寒い。駿河湾も白波を立てている。そうして進むと原生林に入った。おそらく雨で水の通り道になってえぐられて歩きにくい登山道を進む。この原生林にはヒメシャラ、アカガシ、アズマシャクナゲ、ツブラジイ等があるようだ。どれも高木だ。山頂間近の直下に短いが急登が何度か現れ休みを挟みながら歩くと見晴台の鉄骨が見えてそこが山頂で、到着だ。


   26日の朝、バスの中から   25日の夕方、民宿に向かうタクシーで   宝蔵院の石仏群(鈴木さん)

 

山頂はドウダンツツジ、ヒメシャラ等の木々で眺望は無いのだが、見晴台に上がると360の眺望だ。北西は富士山、徐々に東へ猫越岳(ねっこだけ)、天城山、河津方面、婆裟羅山(ばさらやま)、下田方面、西は駿河湾を挟んで南アルプスが一望できるのだ。聖岳から北岳まで見渡せ、みんなでその眺望を楽しんだ。しかし高い位置に居れば風は強く寒い。

  

さぁ、下山開始。あとは来た道を戻りスタート位置の宝蔵院へ戻るだけだ。途中の八瀬峠でも見晴らしは良いのだが、風の通り道のため、少しの休憩で下山を続ける。あとは下るだけなどと安易に考えていると再び「出合」に出て登り返さないとならない。え?登るの?ってさっき下ったんだった~。などと言い合いながら登る。下るだけだと思っているとちょっとした登りも辛く感じるものだ。そうして歩き続け予定よりも少しだけ早く宝蔵院へ戻った。予約の時間のタクシーだと30分待たないとならないので幹事は電話してすぐに来てもらうようにした。思ったよりも待たずにタクシーが到着。全員乗車し、今度は松崎より少し南にある雲見温泉に向かう。今夜の宿泊場所の雲見温泉の民宿には17時に到着だ。


    早咲きの土肥ザクラ      法蔵寺の展望台から(鈴木さん)    人数が少ないのでコンパクト

 

気さくなおかみさんの配慮でまず、冷えた身体を心地よい温泉で疲れを癒し、温まった。その後は豪華な地魚料理で参加メンバーは身体もお腹も満たされた。少人数ならではの楽しい会話で盛り上がった。翌朝もまた民宿ならではのご馳走の朝食、食後のケーキとコーヒーを頂き、バスで松崎へ向かった。そこからは解散としてそれぞれ思いの方向へ向かった。今回は少人数の参加だったがとても濃い楽しいハイキングとなった。


 木の幹に生えているマメヅタと胞子葉   アマギカンアオイの花       イズセンリョウの白い実

      (鈴木さん)           (鈴木さん)            (鈴木さん)

  踊り子10号からの伊豆大島

    (鈴木さん)

  駐車場からの夕日、西方面

     (鈴木さん)

  オニシバリの花(鈴木さん)


 

  ご参加されたみなさま、またキャンセルせざるを得なかったみなさまには感謝の気持ちでいっぱいです。どうもありがとうございました。お疲れ様でした。鈴木さん、葛西さんには写真をご提供いただきました。  ありがとうございました。 

       深く感謝いたします。山笑(やまにこ)会スタッフ一同

 

参加者:6名(申し込み10名、キャンセル4名)

スタッフ:小野(幹事)、稲葉(下見のみ)

報告:小野梨香(30年)、写真(小野、鈴木さん、葛西さん)