何と!計画より1時間も早くゴールに着いてしまった。寒かったが、アセビのトンネル、岩場歩きが楽しく、雨乞岩の展望が素晴らしかった!~2024年1月11日(木)、2024年の始まり。~
埼玉県の奥深い秩父の名峰の武甲山を知らない方は居ないと思う。採掘のために削られ変わり果てた姿を強いられた山だ。山笑(やまにこ)会の2024年最初のイベントはその武甲山の南側にある大持山、小持山(おおもちやま、こもちやま)を目指す。この山に登ると南側からの削られていない立派な姿の武甲山を見ることが出来るのだ。
予報通りの曇って寒空の横瀬駅に全員揃った。予約していたタクシーに乗車し今回のハイキングのスタート地点の「一の鳥居」に到着した。この鳥居はオオカミ信仰の秩父ならではの、4体の狛犬、オオカミに守られている。かつて、農民はオオカミが畑(農産物)を守ってくれたことからオオカミを信仰したとの説もあるようだ。
大持山の幹事班 小持山の幹事班 妻坂峠で全員集合(まずは突破)
「一の鳥居」ここから今日のハイキングが始まった。最初はどこにでもある生川(うぶがわ)渓流沿いの林道のような道で、先へ進むと石ころがごろごろと歩きにくくなり傾斜もきつくなっていく。防寒対策バッチリの参加者に幹事は身体が温まり、衣服調整をしたくなったらいつでも声掛けして欲しいと伝えた。今回は幹事班とすこしゆっくり目に歩くスタッフ班の2班体制だ。
最初の目標は妻坂峠。スタート地点から約300m標高を上げる。徐々に急登が始まる。途中上着を脱いだり、給水したりと止まるが、息を切らせたり、休憩したいと仰る方は誰も居ず黙々と歩いてあっという間に峠に到着だ。間もなくスタッフ班も到着だ。この峠の歴史は古くは鎌倉時代にさかのぼるようだ。秩父から江戸、鎌倉へと通じる主要道路だったようだ。お地蔵さまが建っているがこれも供養のために1747年に建てられたようだ。歴史を感じる峠で、現在は秩父の横瀬と飯能の名栗、大持山と武川岳への十字路だ。
大持山のスタッフ班 雨乞岩のスタッフ班、右は断崖絶壁 小持山のスタッフ班、疲れていない!
これからしばらく急登が続く。この冬は暖冬のせいで雪もないし、特に凍った場所もない。さすがにシモバシラはそこここにあるが、危険な要素にもなっていない。防火帯のような少し広い場所に踏み後路のような登山道となる急坂を登る。開けてはいるが、特別な展望もなく名峰、武甲山が木々の合間に見え隠れする程度だ。場所によっては人口林で薄暗いところ、コナラやモミジ等の広葉樹の雑木林で明るいところを通りながら大持山への尾根に出る。
気持ちの良い登山道もあるのだが、すぐに急登が現れる。それでも隊列は特に間が開くこともなく参加者のみなさん黙々とある方は地図を見ながら、ある方は写真を撮りながらと楽しんで登っているのだ。後発のスタッフ班もそれほど離れることもなく後に続いている。が、振り返っても急坂で後ろが見えない場所も多々あるのだ。登っているときよりも立ち止まって後ろを見ても見えない位に急坂であることに改めて驚く。後ろに続くメンバーの帽子が、顔がと見えてきて確認するくらいなのだ。
小休止しても参加メンバーは疲れた様子もなくおしゃべりをして楽し気に給水したり、行動食をかじったりしていて安心と同時にびっくりだ。急坂とゆる登りを繰り返しながら「富士見の丸太」の表示の場所に到着。曇っているから見えないかな、なんて思っていたが、なんのなんの、頂上付近だけなのだが、くっきりと真っ白な富士山が見えるではないか!しばし、みんなで眺めて気を取り直し、大持山山頂を目指す。が、間もなく到着した。
大岩のクラックを潜り抜けて上へ ここは正面の岩場の上にまたがる こちらはルートは3つ、選択も個性
予定より45分も早く到着したのだ。出発の時点で予定より少し早く出発はしたのだが、要所要所で通過時間が早まっていったようだ。妻坂峠で15分早く到着していたのだ。山頂で記念写真撮影。昼食とした。そうしている間にスタッフ班も到着だ。それでいつもより昼食時間を少し長めに取り、あまりじっとしていても寒いということで小持山に向けて出発した。
この先は今度は急登はないのだが、岩場が次々現れるのだ。岩場に名称はないのだが、登山者間でメタボ岩(岩の隙間が狭い)、通せんぼ岩(まるでこれ以上行けないよと言っているよう)をすり抜けて登ったり、乗り越えたりしながら進むのだ。岩場に寄ってはう回路もあるが幹事班は敢えて岩場岩場を進んだ。こっちに道があるよ~!と言う方もいるが、普通の路じゃつまらないでしょう!?と岩場を進む。そう言いながら岩場をみなさん進んで来られる。
そして圧巻が、「雨乞岩」だ。ここはスルーすることも出来るが逆に外せない。なにせこのコースの最高の大展望なのだ。富士山も見えた通り、近くの秩父、奥多摩の山々、遠くの浅間山、八ヶ岳、北アルプス、日光白根山等も見えるのだ。狭い狭い切れ落ちた岩場でひとしきり大展望を眺めていると、スタッフ班も到着だ。交代して先に進む。藪漕ぎのように、アセビのトンネルやヒノキ(幼樹)のトンネルを抜けて二つの名もなきピークを通り過ぎると次のピークが小持山だ。
大持山に到着の幹事班(鈴木さん)
記念撮影し、小休止する。武甲山がどっしり見える。が展望は木々に阻まれあまりない。エネルギーが余っているのか、さぁ出発しようという雰囲気に背中を押されてじゃ下りましょうとなった。ここからの下りは最初は急坂下りがあったり微妙な岩で歩きにくい場所があったりなのだが、さすがにそこは慎重に特に
岩の間を通過する幹事班
(鈴木さん)
大持山に登るスタッフ班
(鈴木さん)
何事もなく無事通過。それを過ぎると片側斜面の普通の登山道の下りだ。そうなると飽きるな~と言う声が聞こえてくる。アドベンチャー的な変化に富んだ急登や岩場を歩いてきた強者には単調な登山道はつまらないようだ。
そうして下ってくると「シラジクボ」という武甲山と一の鳥居へ行く分岐に出る。一気に下りましょうとばかりに行こう行こうとなり、スタート地点への周回の下りルートを進む。疲れた様子もなくみなさん元気におしゃべりしながら歩き切り、予定時間よりも一時間も早く下山完了。怪我も体調不良者もなく終了し、荷物整理やらトイレやら帰り支度をして予約したタクシーを待っているとスタッフ班も到着だ。
雨乞岩からの両神山(鈴木さん) まっすぐ登り、右に越す(川原さん) なかなか楽しい稜線(川原さん)
幹事の想定内の時間に全員集合し準備完了した頃丁度、迎えのタクシーが着いた。横瀬駅には15分足らずで到着だ。駅に到着した頃青空が見え日も差してきた。何とも。。。。しかし、眺望は曇っていても抜群だったので良しとして、時間のある方はどうぞということで、駅横の食堂で無事下山の乾杯をして終了となった。
今回残念なことにキャンセルせざるを得なくなった方も含めてご参加頂いたみなさまには感謝感謝です。
ありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願い致します。(山笑会一同)
・参加者:12名(申し込み16名、キャンセル4名)
・スタッフ:小野(幹事)、稲葉(班長)
・報告:小野梨香(30年)、写真(小野、稲葉、川原さん、鈴木さん)
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