絶好の天気に恵まれ、名残の紅葉を楽しみ、360度の大展望に満足した。

            ~11月11日(木)~

 

 この企画は、もともと川乗橋から鳥屋戸尾根を笙ノ岩山に登り、蕎麦粒山~三ツドッケ~一杯水避難小屋~東日原と歩く予定だった。下って奥多摩駅に着いたら、202162日に開店した、「卵道(ランウェイ)」で楽しむ企画だった。しかし、107日に幹事が下々見をしようと、朝、奥多摩駅に着きバス停に行くと「川苔山には行けません」という表示がバス停にあって、妙な感じがしたのだが、とりあえずバスに乗った。そのとき別の客が運転手と交わした会話で、「81日以降、来年の331日まで、川乗林道には全く入れません」ということがわかり、運転手へ再確認し、すぐに下車すると、警察官まで立って注意しているのだ。本番で入れないコースでは仕方がないので、この日は断念した。

 

 とりあえず、1111日の本番で蕎麦粒山の直登はあきらめた。別の山に向かう電車の中でさんざん考え、東日原から蕎麦粒山の往復もきついのであきらめた。結論として、今年は東日原から三ツドッケの往復とした。この下々見は1021日に実施することにした。

 

 

 さて、蕎麦粒山の参加者にお詫びかたがた、三ツドッケに変更のご案内を出した。結果的に17名が参加して下さることになった。参加者のお一人からは、「どうしても蕎麦粒山に鳥屋戸尾根から登りたい、来年、ぜひ企画して下さい。」といわれた。それで、すでに来年の山笑(やまにこ)会の企画に入れてある。


  広い稜線で休憩(中山さん提供)    避難小屋前で休憩(中山さん提供)       山頂で集合写真

 1111日(木)、奥多摩駅810分発の鍾乳洞行きのバスに乗車。この日も川苔山に行けず、引き返すあるいは別の山に向かう方がおられた。バスは835分に東日原バス停に着き、トイレを済ませ、開校式後845分にスタートした。三ツドッケに向かう登山口は、ごく普通の登山口だが、山道はしばらく人の家の裏庭を歩くような趣の道が続く。しかも、急な道だ。その後は傾斜が緩くなるので、スタート後、40分程度意識的にゆっくり歩いた。

 

 20分ほどで裏庭を歩くような道は終わり、鉱山会社の金網が見えてくる。ここまで来ると、急な山道は先が見えてくる。そして紅葉が賑やかになってくる。40分ほどで急な道は終わり、道標がある。古い道標には「一杯水(三ツドッケ)」と書かれている。ここからヨコスズ尾根に取り付き、滝入ノ峰の東側を縫うように進む。スギ林が目に入るところでも、尾根の上の方では紅葉がきれいだった。ブナ・ミズナラが多く、そのためカエデ類が多いようだ。滝入ノ峰からしばらく歩くと、岩の多い山道となり、東側に切れている斜面となるので、みなさんに足下に注意していただく。ヤセ尾根に出ると紅葉が一層きれいだが、残念ながら先週4日の下見の時が最高だったようだ。下見の時は、事情で、東日原から奥多摩タクシーに乗ったのだが(奥多摩駅まで3,400円)、運転手さんが「23日前から急に色づいてきた」といっていた。本番の11日は終わりかけだったから、2週間の美といいうことだ。

 

 

 ヤセ尾根を過ぎると尾根が広くなり、今度はどちらかというと、尾根の西側を歩くようになる。標高1,200mを越えており、ここからのアルバイトは少ない。地面に黄色い葉がたくさん落ちていた。タカノツメだった。淡々と歩き、1119分に一杯水避難小屋に着いた。山と高原地図のコースタイムでは2時間30分となっているからなかなか大したタイムではないか。陽の当たっている一杯水避難小屋で参加者に「直登して岩稜帯を山頂まで歩くか、山腹を縫って緩やかに登って山頂まで行くか」選択していただいた。人数はちょうど半々だった。実は、2時間半、一本調子で登ってきて、直登はちょっと体にきつい感じがするのだ。幹事はトラバース道をご案内した。


  切れた斜面を登る(スタッフ班)       最後の方の下り(幹事班)       登りで先を行くスタッフ班

 山頂までは25分ほどかかる。最後はアセビに被われたやぶ漕ぎのような道を通って山頂に到達する。すでに直登組がいた。快晴で360度の展望だった。南西方面には鷹ノ巣山があり、その左肩に富士山が大きくそびえていた。西の方には雲取山と芋ノ木ドッケが見える。東には日向沢ノ峰と蕎麦粒山が見える。集合写真を撮って避難小屋に戻ることにした。帰りは全員同じコースだ。1230分に戻り、昼食後、1255分出発とした。予想より風も弱く下見の時より温かかった。

 

 下りは気も楽なので紅葉を楽しみながら下った。いつもながらカエデ類の紅葉した葉を同定しながら歩いた。下ると右手側に富士山と鷹ノ巣山が見えるのだが、この二つの山が場所と高さによって位置関係が変わってくるのが面白い。途中で富士山は頭だけ見え、その内、全く見えなくなり、最後は鷹ノ巣山も見えなくなる。下ると見えるのは本仁田山だ。今回は、やはり緊急事態宣言が長くて運動不足が続いた上の、結構ハードな企画であり、足をツル方が何人か出た。下りでは左側が切れている斜面だけは注意していただいた。緩やかな斜面が終わる辺りにきれいな紅葉が見られ、みなさん、立ち止まって写真を撮っておられた。山で見る、今シーズン最後のきれいな紅葉かも知れない。1435分頃に予定通りに東日原バス停に下った。ある方が「三ツドッケには3回目だけど、紅葉を見たのは初めてで大変感激しました」といわれて、幹事冥利に尽きる思いだった。1450分発のバスに乗った。

 

 バスは、1520分前に奥多摩駅に着き、急いで1522分の青梅行きに乗った方もいたが、残りの方々は全員で「卵道」に入った。少々補足説明をしておこう。参考情報だ。現在、「卵道」が入っている場所は、居酒屋「みやぎ」のあった場所だ。幹事は26歳の頃からときどき顔を出していた店だ。今年4月に店を閉める数年前から足が遠ざかり申し訳ない気持ちだった。昨年頃から、古里駅前の「卵道」の存在を知り、気にしていたのだが、何とその姉妹店が奥多摩にできるという。その場所が「みやぎ」のあった場所だった。開店が62日だというので、621日にわざわざ鳩ノ巣から花折戸尾根を本仁田山に登り、ゴンザス尾根を下るハイキングを計画して奥多摩の「卵道」に寄ったのだ。そのときから1111日本番の帰りに寄る計画を立てていた。奥多摩の「卵道」の前面はカウンターの立ち飲み席になっており、外気に開放されている。11日は平日なので若い客中心に、だし巻き卵をテイクアウトされる方が多かった。みなさんで乾杯し、短い時間だが交流を楽しんだ。

 

 

【参加者】12名(申し込み17名、キャンセル5名)

 

【スタッフ】稲葉(幹事)、小野(班長)

【報告】稲葉 力(25年)


   やせ尾根を行くスタッフ班       下りできれいな紅葉に見とれる       山頂の富士山と鷹ノ巣山