これ以上ない春のような陽気の下、心源院歴史古道をたどり、「美(うま)し郷(さと)」で和式庭園を楽しんだ ~11月5日(金)~

 

 今回は年間企画表に記載してある通常のハイキング企画ではなく、臨時企画として実施した。八王子市横川町1096-3にある日本庭園「美(うま)し郷(さと)」を訪ねるのが主目的で、そのために心源院歴史古道をハイキングすることとした。参加者を限定する予定だったが、思ったより人気があり、結局16名の参加者とスタッフ4名となった。

 

 心源院古道は松姫伝説が残る山道であり、八王子城址側から登るか、川原宿大橋側から登るかが通常のコースだ。要は下ってどうするかがポイントだ。川原宿大橋バス停から5分も歩けば心源院に着く。心源院は武田信玄の4女だった松姫が逃げ延び最後に着いた場所で、松姫はここで当時の和尚に得度を受けて、松信尼となった。その伝説の残る心源院から今回はスタートする。コースは、心源院の境内にそびえる2本の杉の巨木の間を縫って行く秋葉神社経由の「神社コース」、そして男坂コース、女坂コースがあるが、男坂コースは数年前から通行禁止となっている。幹事は、5、6回歩いているがこれまではすべて神社コースを歩いていた。なぜなら、心源院の境内からは神社コースしか見えないのだ。しかし、今回下見で、女坂コースを歩いてみて、女坂コースの方がずっと面白いことに気が付いた。

 


     屋根の下のみなさん           ぞの反対側から            カマドの前の方々

 115日の10時に高尾駅北口バス停に集合していただき、105分の「宝生寺行き」バスに乗車した。わずか5分で川原宿大橋に着き、現地集合された方と落ち合った。今回は16名の参加でスタッフ3名、3班編成とした。寺の境内で開校式をやり、松姫伝説の説明をしてスタートした。心源院歴史古道は、地元のボランティアの方々が山道の整備をされ、そして大変ユニークな道標を設置されている。実は幹事が初めて歩いた頃には、そんなユニークな道標はなかったように思う。女坂に入る登山口からユニークな道標の洗礼を受ける。「希少種あり」なんて看板があり、大変気を持たせる。この希少種とはセンブリのことで、下見の1023日にはたくさん咲いていたが、本番では少なかった。女坂は大変陽当りがいい。気温の高い快晴の日だったので、ゆっくりゆっくり気持ち良く歩いた。向山北砦に近づくと、コウヤボウキが増えてくる。小さめのヤクシソウもたくさんあった。

 

 

 向山北砦に着くと、眼下に下恩方町の町並みが広がる。低い山には低い山の楽しみがあることがわかる。先客が一人いて、先に行かれた。後続の来る前にスタートした。約15分で大六天(だいろくてん)に着く。神社コースは陽があまり当たらない。そして心源院古道自体も以降は陽当りはあまり良くない。なぜか、ゴンズイが多く、上を見れば赤い実が残っていた。緩く下って、少し登ると、またユニークな道標が出て、左に歩くと大六天だ。ここの展望はいい、八王子全体が展望できるし、スカイツリー方面も目にすることができる。後続を待って時間調整して出発した。


     カマドの前の方々             屋根の下の方々           カマドの前(大谷石)

 20分ほどアップダウンのある山道を歩くと、北条氏照の墓に行く分岐に着く。時間的には約15分で氏照の墓に着く。迷うことはないのだが、なかなか一人では行く気がしない山道だ。お墓から5分も歩くと「美し郷」に着く。分岐から八王子城の柵門台を目指す。低いアップダウンがあるが足にはきつくない。ところどころでユニークな道標を観賞しながら歩く。右側に松竹(まつたけ)バス停に向かう分岐が登場する。滝の沢林道に合流して、それから松竹バス停まで行くことができる。この分岐から、5分もかからないで旧道分岐に出る。八王子城から下る道は柵門台で新道と旧道に分かれる。新道は良く知られた、石の階段の多い道で、旧道は階段がない。旧道も約20分で八王子城址公園に着く。

 

 以前歩いた時にはフクロウのヒナを見たことがある。この日は、まず、シロダモの雌花を見つけた。それからビナンカズラの赤い実、そしてサルトリイバラの実、あちこちにミヤマフユイチゴが成っていた。ここに来て、みなさんカメラ撮影に余念がなく足の歩みが止まった。それでも旧道分岐から約20分で登山口の鳥居に到着した。管理棟には寄らずに、まっすぐガイダンス施設に向かうことにした。ガイダンス施設にご案内し、トイレ休憩と、施設の見学タイムとした。4人目のスタッフが登場し、後続の2班も合流した。

 

 さて、ゴールの「美(うま)し郷(さと)」だ。ここは庭園家 林好治さんの自宅でその庭を開放されているのだ。奥さんが喫茶店を土休日だけ営業しておられる。今回は平日に貸し切りで営業していただいた。ちょうど昼食時間に到着し、庭園備え付けの大谷石のカマドでピザを焼いていただき、昼食にした。参加者16名とスタッフ4名の20名でうかがったのだが、広い庭でしかも屋外なので密な感じにはならなかった。気温も高い日だったので、屋外でも寒くなかった。昼食後は、お二人に庭の樹木等の解説をしていただいた。時間はあっという間に過ぎ、残念ながら14時半頃にお暇した。八王子城址は、春はサンコウチョウの観察ポイントで、美し郷にも来るそうだ。

 

 参加されたみなさん、参加できなかったみなさん、次回の臨時企画を楽しみにして下さい。また企画します。

 

【参加者】16名(申し込み17名、1名キャンセル)

【スタッフ】稲葉(幹事)、久保、小野、廣川

 

【報告】稲葉 力(25年)


     シロダモ(多分雌花)          ミヤマフユイチゴ           ビナンカズラ

上:説明に夢中になる(山桜さん提供)

 

 

左:かまどの前で憩う(山桜さん提供)