雨には降られたが、ぬれることもなく、晴れ間も出て、無事に縦走終了

 


                         林道直前での休憩                                              小さなコルに向かって下る                                                キヌタソウ(下見で)

 

 89分に都留市駅に着く予定で自宅を出て、八王子で甲府行きに乗り換えた。車内でスタッフとSさんに呼ばれて同じボックスに座った。窓の外をOさんが歩いて行った。しかし、この電車が動かない。どうやら一両前の先頭車両のドアが故障したとかで閉まらないそうだ。それで先頭車両の客を他の車両に移し、高尾駅で先頭車両を切り離すようだ。それで高尾駅まで行ったが、それでも動かない。行き先を大月駅に変更し、先頭車両を切り離さないで運行するようだ。結局、30分程度の遅れとなるので、参加者にメール、ショートメールで連絡することにした。10名中8名と連絡が着き、みなさん、同じ電車に乗っていることがわかった。1名は大月駅で確認、残り1名は先に都留市駅に着いておられた。大月駅の売店で僕は缶ビール2本購入、スタッフは昼食を買っていた。

 

 もともと計画書では都留市駅に835分着だったのが、2~3分遅れた。すぐにタクシー乗り場に行き、運転手に聞くと、6人乗り2台で対応するという。1台分安くなるので大変ありがたいのだが、電話で予約した際は、835分には用意できない、6人乗りは用意できないといわれたのに随分、対応が違うではないか。可能な方は都留市駅でトイレを済ませていただき、早めにスタートすることにした。駅で開校式の予定だったが、道坂隧道での開催に変更した。

 

 都留市駅では予定通り曇り、しかし、タクシーが走り始めると徐々に前方にガスが出てきて、タクシーのフロントグラスに細かな雨粒が当たり始めた。本格的に降るとは思わなかったが、予想外の事態で雨天時の対応を考えた。もし、スタートから本降りで回復の見込みがなさそうだったら、今倉山まで行き、道坂隧道に戻りタクシーを呼ぶ、それより先に行けそう(気分的にも)ならば、二十六夜山手前の林道から二十六夜山を往復し、林道を道坂隧道まで歩き、ゲートでタクシーを呼ぶことにした。そこまで考えると雨は小降りになり、道坂隧道に着いた。まずは、めいめい出発の準備をしていただき、簡単に開校式を行った。雨具の上下を着込んだ方もいれば、雨具は上だけの方、雨具なしで傘だけの方もいた。予定通りに920分のスタートとなった。


    ヤマタイミンガサ(下見)          ノイバラ(下見)           ネジキ(下見)

 実は幹事は、右足小指が腫れておりここ数日調子が悪かった。15日の朝は、何とか縦走できるようだったが不安で、動きの自由度が高いアプローチシューズを持ち、ソックスは薄めのものを選んだ。もちろん、足には湿布を貼っていた。先頭は幹事、最後尾はスタッフとした。15分で道坂峠に着くのでゆっくり歩き始めた。雨は雨具がなくても済む程度になったので気が楽だった。予定通りに935分に峠に着いた。大半の方はここで雨具を脱いだ。歩き始めると陽が差してきた。こいつはいいぞと思っていると、また小雨が降ってきた。この繰り返しに翻弄された。予定通りにキヌタソウが出てきたが、下見の時ほど見事な個体はなかった。バライチゴを探しながら歩くと、代わりにイチヤクソウを発見した。そしてバライチゴも咲いていた。白いこけしのような花はミヤマイボタだろうと思う。

 

 30分歩いて休憩し、後ろから来た2人組を先に行かせた。予定より少し早く今倉山に着いた。先に行った2人組が、少し驚いたように先に行った。体調の悪そうな方はいなくて安心した。幹事の右足もどうやら無事だったが、問題は下りなのだ。ここからはまず緩い下りがあって、小さなアップダウンを繰り返す。ヤマタイミンガサが出てくる。昨年ほど大きくないのだが、時期が一週間早いせいなのだろうか。ヤブレガサとどこが違うんですかという声があって説明した。幹事も昨年、ここで勉強したのだ。途中、空中に突き出すような形の展望台があって、赤岩方面が見えるのだが、この日はあいにく真っ白。右手側に注意して下り、しばらく歩くと道坂隧道に向かう分岐に出る。ここで休憩した。少し前方に歩き、左に登っていき、稜線に出るといよいよ赤岩なのだが、期待の大展望は拝めなかった。考えてみると、ここでは半分は展望が見られないのではないだろうか。富士山と御正体山の展望が見られないのは残念だが、仕方がない。ここまでもほぼコースタイム通りだった。

 

 赤岩からは徐々に下り始める。下見では地面を白い花で一面に飾っていたネジキは、すでに花期を過ぎていた。花期の短い花のようだ。地面の落花は色あせており、樹上に残っている花はわずかだった。名残を惜しませていただいた。しかし、花期の長いヤマボウシはまだ咲いていた。ヤマボウシの下には大きめの白い花びらが散っている。広葉樹の自然林は美しいですね、といいながら下っていると左側に階段が見えてくる。ここで前方を見ると、小高いピークが二十六夜山で、疲れてきた体にはきつい登りに見えた。階段を下ると林道に出た。この林道は一番下の入口にゲートがあって、一般車は入れない。林道を少し登ると峠になり、その先は行き止まりだ。峠に階段があって、まずはこの階段を登らなければならない。「ゆっくり山頂まで登り切りましょう」と歩き始めた。


       イチヤクソウ           今倉山に向かって登る        もくもくと今倉山に向かう

 ゆっくりゆっくり登り、赤岩から約1時間で二十六夜山に着いた。さきほどの2人パーティが休憩しており、われわれが着くと下っていった。山頂には「二十六夜山」の由来を書いた看板がある。旧暦の726日は二十六夜であり、この夜に阿弥陀、観音、勢至の三尊が現れ、それを見て拝み願い事をするとかなえられるという。それを酒を飲みながら待っていたという、山岳信仰の一つだ。われわれは昼食を食べて、集合写真を撮り下ることにした。ここから25分程度、結構急で滑りやすい山道が続くので注意を促す。幹事は珍しくストックを出した。25分ほどで通称「小さなコル」に着くのだが、寒い時期、このコースが部分的に凍結するのが難題で、ロープが張られている。予定通り25分で着いて、給水タイムとする。

 

 登って来るとここで一息つくのだが、さきほど書いたように、実はここから先が胸突き八丁で結構きつい思いをする部分だ。ここから15分ほどジグザグに下る。なぜか、ケヤキの巨木が多く、ケヤキが出てくると下りきる。そして斜面をトラバース気味にしばらく歩くと、仙人水となる。最近、雨が多いせいか水量が多い。いつも、この先の「かっちゃ石」で沢にぶつかるので、そこで休憩するのだが、2年前の台風で水が涸れたので、仙人水で休憩した。スタッフの率いる後続を待って、スタッフに「次は橋で待っているよ」といって先に行く。

 

 「かっちゃ石」とは巨石のある場所なのだが、なぜか「生活の跡」と書いた看板がある。201910月台風19号の前には、かっちゃ石の前の沢にはごうごう水が流れていた。おそらく台風19号で上流の水路が変わったのだろう。以降は沢に水がなくなった。こういう話になると早速、Yさんが解説して下さる。ここは涸れ沢だけ見て先に進む。ここから川原歩きになる。25分ほどで沢を対岸に渡ることになるのだが、渡らないで先に進むと砂防ダムにぶつかるので、かなり下るのに難儀する。この付近の山道は沢からかなり離れているので地形を全く知らないと行き過ぎる可能性がある。無事に丸木橋で後続のスタッフを待ってから登山口に向かった。


    赤岩へ向かう途中で休憩             イケマ             赤岩での休憩

 ここからは完全なアプローチで25分も歩けば車道に出る。幹事は5年ほど前の14日に初めて、ここの登山口から二十六夜山を往復したのだ。ここに書いた注意点は、そのときの教訓だ。登り口から間違えたのだ。登山口付近に転がる巨木を乗り越して登山口に到着した。予定通りの時間だった。休憩せずに月待ち湯に向かう。ここまで来るとすっかり天気は回復した。月待ち湯には1440分過ぎに到着した。ここで温泉に入らずに直帰する方のためにタクシーを呼んだ。残りの方々は、1時間半ほど温泉に入り、休憩室で楽しませていただいた。先に帰った方が、肴を差し入れて下さった。

 

 2年越しの「今倉山・二十六夜山」はこうして無事に終了した。参加して下さったみなさん、ありがとうございました。

 

・参加:10名(申し込み15名)

・スタッフ:幹事 稲葉、スタッフ 小野

 

・報告:稲葉

      赤岩での休憩

   林道に向かって階段を下る

     赤岩から下る

    二十六夜山で昼食休憩

   コウヤボウキが咲いていた

   二十六夜山山頂で集合写真